2023年ゴールデンウィーク期間中の営業について_菊正宗ネットショップ

お客様各位

平素は多大なるご愛顧を頂きまして誠にありがとうございます。

2023年ゴールデンウィーク期間の営業日について、
下記にてお知らせいたします。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

4月28日(金):通常営業
4月29日(土):休業日(昭和の日)
4月30日(日):休業日(日曜日)
5月1日(月):通常営業
5月2日(火):通常営業
5月3日(水):休業日(憲法記念日)
5月4日(木):休業日(みどりの日)
5月5日(金):休業日(こどもの日)
5月6日(土):休業日(土曜日)
5月7日(日):休業日(日曜日)
5月8日(月):通常営業

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

上記の通りとなります。

<ゴールデンウィーク中の出荷予定>
4月26日までのご注文は4月28日に出荷
4月27日までのご注文は5月1日に出荷
4月30日までのご注文は5月2日に出荷
5月1日までのご注文は5月8日に出荷
5月7日までのご注文は5月9日に出荷

受注生産品、メーカー取寄せ品、銀行振込など
営業中にお手配の時間が必要なご注文や
余裕を持って届け日指定頂いているご注文は
上記の限りではございません。
ご了承ください。

大型連休となりますので、連休前後の配送等に遅れや影響が予測されます。
予めご了承頂き、早期のご発注をご検討くださいますようお願い申し上げます。

ご不便をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。

王者の風格を備えた山菜“たらの芽”。“旬”の美味しさは、これからです。

人気アニメ作品「鬼滅の刃」にも登場した“たらの芽”。

今回も春を代表する
“旬”の山菜をご紹介。

独特のほのかな苦味と
しっとりとした食感が癖になる、
“山菜の王様”との呼び声の高い
“たらの芽”です。

しかし、“行者ニンニク”と同じく、
春の訪れを感じる食材としては
知られているものの、
どんな料理をつくれば良いのかという
イメージが湧きにくい、
やや地味な印象の食材ともいえます。

ところが数年前、そんな地味な
“たらの芽”にスポットが当たる
瞬間があったのをご存知でしょうか。

全国的なブームとなったアニメ
「鬼滅の刃」の設定資料に書かれた
主人公の竈門炭治郎の好物が
“たらの芽”という一文です。

とにかく猫も杓子も大騒ぎの
大ブームだったこともあり、
細かいことも話題になる状態で、
思いもかけず“たらの芽”
という名前が表舞台へと
導かれました。

多くのファンがそれまで知らなかった
“たらの芽”を知ることになり、
一部の熱狂的な「鬼滅」マニアが
“たらの芽”を買い求めたという
話もあったようです。

“たらの芽”が採れるのは
“たら”という名前の木ではなく、
“タラノキ”という名前の木です。

“たらの芽”をまったく
知らない人にとっては、
その音の響きから魚の“タラ”の
目玉をイメージし、
その高い栄養価が話題になった
マグロの目玉を思い描く方も
おられるのでは。

実は、“タラノキ”と魚の
“タラ”は意外な関係にある
ともいわれています。

そのひとつが、“タラノキ”の
ザラついた木肌が魚の“タラ”に
似ているというもの。

魚の“タラ”と区別するために
“タラノキ”までを
名称とした説もあります。

“タラノキ”の葉を尖った枝などで
引っ掻くとそこが黒くなる性質があり
同じ性質を持つ
“タラヨウ(多羅葉)”の
“タラ”が転訛したものという
別の説もあります。

“タラノキ”は正式な和名ですが、
名付けられた由来は
よく分かっておらず、
さらに地方ごとの呼び名が
多く存在する木です。

地方ごとの方言名の数は100種類を
超えるともいわれ、
“タラ”という文字を含む
“タランボ”や“タラッペ”、
トゲトゲした枝の特徴から
“オニノカナボウ”、
“イギノキ”など、
まったく別の名前が存在します。

これは、北海道から沖縄の
全国の山に自生する
普通の木のひとつなので、
それぞれの地域で独自の呼び名で
呼ばれているということを
表しています。

木の高さは、大きくなっても
2〜3mほどの落葉低木。

生育旺盛でどんどん新しい芽を出して
成長しますが、寿命は15年前後と、
樹木の中ではかなり短命です。

市場に出回るほとんどが栽培もの。野趣あふれる美味しさを楽しむなら天然もの。

野生の“タラノキ”の
見分け方は簡単です。

それほど太くない幹はトゲトゲで、
ひと目見ただけで、どこかの地方で
“オニノカナボウ”と
呼ばれている理由が分かるほど。

早春ともなると、
目ざとい地元の人たちによって、
“たらの芽”の最初の新芽は
採られることが多く、
野生の“たらの芽”は
意外と入手困難です。

新芽は次々と芽吹きますが、
2番芽以降の新芽を摘まれると
“タラノキ”は枯れてしまうことが
多いともいわれ、
野生種を維持する意味で、
“1番芽以外は採らない”という
暗黙のルールもあるようです。

“たらの芽”の
特出すべき栄養価として
体内に溜まったナトリウムを外に
排出する働きのあるカリウムを
多く含んでおり、高血圧予防に
効果が高いといわれています。

また、βカロテンをはじめ、
マグネシウム、リン、鉄分、
ミネラルなどの栄養素も豊富に含み、
健胃や強精、強壮作用への
期待が持てる食材として、
昔から重宝されてきました。

スーパーなどの店頭に並ぶほとんどが
栽培ものなので、
野生種が持つ独特の苦味や
クセのある風味はややまろやか。

“たらの芽”本来の野趣にあふれた
香りや風味を楽しむなら
野生の天然ものがオススメです。

料理にする前の下処理は、
付け根のハカマや
硬い部分を切り落として、
1ℓの水に塩20gの割合の
沸騰した湯で2〜3分茹でて
冷水に漬け込んでアク抜きを。

天ぷらなど生のまま調理する際は
アク抜きは不要です。

油で揚げることでアクが
旨味に変わります。

アクを抜いた“たらの芽”は
ポン酢で和えて鰹節を振った
お浸しやゴマ味噌和えなどが
定番の料理。

パスタの具や炒め物の具にも
適していて、オリーブオイルや
バターと相性の良い食材といえます。

独特の苦みのある風味は、
酒の肴としても一級品。

まだ朝夕涼しい時期なので、
今シーズン最後の燗酒にもぴったり。

もちろん冷酒にも合うので、
お好みに合わせて、春の“旬”を
ご堪能ください。

行者ニンニクの美味しい季節。その風味は辛口の日本酒に合います。

春が“旬”の植物が多いのは、厳しい寒さによる“休眠打破”のおかげ。

冬の寒さが和らいで
暖かい日が増えるにつれ、
多くの植物は花を咲かせたり、
萌芽、発芽を迎えます。

この大きく成長するキッカケ
となるのが“休眠打破”
と呼ばれるものです。

これは冬に入る前に、
種子や芽、球根などを
一旦休眠して成長を止めていた植物が
冬の厳しい寒さによって
目を覚ますことを“休眠打破”と呼び
そこから春の暖かさに導かれるように
成長していきます。

この“休眠打破”で有名なのは桜で、
例年とくらべて暖冬だったり、
寒い期間が短いなど、
冬の寒さが不十分だったことが
開花時期を遅らせる原因
ともいわれています。

また、乾燥によって
種子や植物本体の
含水量が低下することで
休眠状態から解除されるなどの
“後熟”という現象も
深く影響を及ぼすとか。

たとえば、春の開花時期に受粉し、
すぐに萌芽や発芽をしてしまうと、
冬の寒さなどで種子をつくる前に
死に絶えてしまいます。

子孫を残すために
休眠状態に入るという、
まさに植物が生き残るための知恵。

たとえば、育てようとする
野菜などの成長メカニズムを
十分に考慮した温度管理を
上手く取り入れることができれば、
栄養価の高い美味しい野菜を
安定して収穫することができる
という訳です。

こうした研究成果は、
ハウス栽培などで応用されています。

例に漏れず、
同じように春から初夏に向けて
多くの山菜類も“旬”を迎えます。

先ごろ、このブログで紹介した
“わらび”や“ぜんまい”などは、
春に“旬”を迎える山菜の
代表格です。

同じく春が“旬”の山菜に、
ワケありげな名前を冠した
“行者ニンニク”があります。

“行者ニンニク”が
スーパー店頭に並ぶと、
春の訪れを感じる反面、
調理方法が想像できず、
なかなか手が出しにくい
山菜のひとつともいえます。

いまは、
数多くの料理を手助けしてくれる
レシピサイトがあるので、
初めての食材に
手軽にチャレンジしやすい時代。

“行者ニンニク”を使った
初の料理に
挑戦してみてはいかがですか。

下処理さえちゃんとすれば、
調理そのものは
意外と簡単なようです。

行者ニンニクを使った料理は簡単。普段使ってる食材を置き換えればいいだけ。

“行者ニンニク”は
ユリ科ネギ属の多年草で、
タマネギやニンニク、
ニラと同じ種類の山菜で、
ひと言で表すなら、
滋養強壮効果の高い野生のネギ
といったところ。

山形県庄内地方の
出羽三山の奥深くに籠って
厳しい修行を行った行者たちが、
修行の際の栄養源として食べ、
ニンニクの臭いがすることから
“行者ニンニク”
の名前が付けられたとか。

そういう意味で、
“行者ニンニク”の発祥は
山形県鶴岡市とされています。

しかし、
当の修験道の行者である山伏には、
皮肉にも
“修行中に精がつく物を
食べてはいけない”
という厳しい戒律があるため、
行者が隠れて食べていたとか、
宿坊で参拝客に振舞ったとか、
その名前を裏付ける話が
諸説残されています。

ところが、市場に出回っている
ほとんどが北海道産。

1月頃からハウス物が市場に出始め、
3月になると北海道南部の天然物が
店頭に並び始めます。

その後、北へと産地を移動しながら
4月中旬~5月中旬に最盛期を迎え、
6月初旬頃までが“
行者ニンニク”の流通シーズンです。

天然物の食べ頃の“旬”は、
4月中旬から5月いっぱい
といったところでしょうか。

“行者ニンニク”の成長は
とても遅く、種を蒔いてから
2年目の春にようやく
芽を地表に出します。

それもヒョロヒョロとした
細い茎に葉は1枚だけ。

種を蒔いて3年から
4年目になってから
葉が2枚以上となり、
5年目あたりでようやく
茎が伸びて花が咲き、
種がつき始めます。

その時点で、ようやく株の太さが
鉛筆の太さくらいとなって
収穫できるようになります。

現在市場に出回っているものは、
“行者ニンニク”の亜種とされる
北海道産の“キトビロ”や
“アイヌネギ”で、
原産とされる鶴岡産は
希少価値が高く、
“幻の山菜”とも呼ばれています。

成長が遅いことから
流通に向かず、山形県鶴岡市では
栽培をやめた農家が多く、
広大な土地をもつ北海道産のものが
流通するようになったものと
伺い知れます。

さて、“行者ニンニク”を
美味しくいただくための下処理は、
まず根っこ近くの赤いハカマを取って
土の汚れをしっかりと
水洗いで取り除きます。

調理前の準備はこれで完了。

よく食べられているのは
醤油漬けや漬物、天ぷらです。

“行者ニンニク”は独特な
しっかりとした風味があるので、
シンプルな味付けで
いただくことができます。

また、てんぷらにしても、
歯切れの良いシャキシャキした食感と
香りが抜群。

根に近い部分はニンニクで、
葉に近づくにつれて
ニラのような香りの山菜と理解すれば
料理の幅も広がると思います。

ネギ感覚で豚バラ肉で巻いて
甘辛い醤油だれで炒める、
エノキの代わりにベーコンで巻いて
塩胡椒で炒める、
ニラ感覚で餃子の具に使う、
豚肉と一緒に
オイスターソースで炒める、
鶏肉と一緒に塩だれで炒めるなど、
普段の料理の食材を
“行者ニンニク”に変えれば、
レパートリーはかなり広がります。

季節柄、
キリッと冷やした辛口の日本酒に
合うこと請け合いです。

桜エビの春漁が行われるのは、駿河湾だけ。

駿河湾産の桜エビは希少種で、水揚げ量に限りがあります。

今年の桜えび漁(春漁)の解禁期間は
4月2日〜6月9日の約2カ月間です。

春漁が終わって以降9月下旬頃までの
産卵時期を禁漁、
再び10月下旬〜12月下旬の冬漁解禁と、
年に約2カ月ずつ2回の解禁期間が
設けられています。

この各2カ月の解禁期間にはそれぞれ
約2週間ほどの休漁日が含まれ、
天候や海の荒れ模様によっては
1週間以上も漁に出られないこともあり、
実質の漁期は
ひと月に満たないかもしれません。

日本で桜えびが生息しているのは、
駿河湾を中心に近接する遠州灘や
相模湾から東京湾にかけての海域で、
“海の宝石”とも呼ばれる
桜エビの生態系を守るために、
桜えび漁の漁獲許可エリアは
駿河湾の富士川沖と大井川沖のみに
限られています。

それも、由比漁港と大井川漁港の
許可証を与えられた
約120隻の漁船だけに許された
特別な漁といえます。

桜エビは昼間、水深200〜300m辺りの
深海に生息しており、夜に向けて
餌となるプランクトンを食べに
水深20〜30m辺りにまで浮上してきます。

それを捕まえるために、夕方、一斉に
漁に向かい、戻ってくるのは
午後10時前後。

具体的には、2隻の船が網を引いて
上層に浮上してきた桜エビを獲る
“船びき網”という漁法により
漁獲を行います。

網にかかった桜エビのデリケートな
体を傷つけることなく収穫するために
直接触れないように大きなホースで
吸い取ることで、鮮度を保つ工夫が
なされています。

さらに全船の水揚げを一旦
取りまとめて利益を分け合う
“プール制”を導入して、
競争激化による乱獲を防ぐための
漁業者や漁協の協力体制が敷かれたのが
1977年(昭和52年)で、現在も継続運用。

さらに、卵を抱えた産卵エビが
多く穫れ始めたり、
水揚げに適さない小さな稚エビが
半数以上獲れ始めると、
解禁期間を予定より早く打ち切るなど、
厳格な管理によって絶滅しないように
守られています。

とくに、2018年(平成30年)以降は
不漁が続き、解禁期間の
早期打ち切りはもちろん、
一度も出漁しないまま終わる
秋漁もありました。

また、不漁の原因を調査したところ
富士川水系の濁りが原因ということが
判明し、その結果、富士川上流の
民間管理ダムの堆砂による浸水被害の
発見に至ったという
桜エビの繊細な生育環境がもたらした
思わぬ功績もあったようです。

新鮮な桜エビを堪能するには、足を伸ばして駿河湾まで。

世界に目を向けても、
桜エビは、日本の駿河湾以外に台湾で
小さな漁が行われている程度で、
この2国のみでしか獲れない希少な
水産資源で、
獲れたてを生で味わえるのは世界で唯一、
静岡市だけなのです。

近年、輸送技術の向上によって、
数日間程度なら桜エビを生きたまま
運ぶことが可能となってきていますが、
まだ試験段階で、現実の流通までは、
しばらくかかりそうです。

また、元号が令和に変わる直前の
2019年(平成31年)2月、日本と台湾の
研究チームの調査によって
五島列島沖で桜エビの生息発見が
発表されました。

しかし、桜エビ漁の対象エリアに
なるほど生息しているかどうかは、
まだ分からないようです。

桜エビといえば春の風物詩
ということは知られていますが、
希少種ということまでご存知の方は、
意外と少ないのかもしれません。

お好み焼きに入っている
小さな干しエビのことを桜エビと
思っている人も多いようです。

アキアミという別の種の
素干し小エビやオキアミの素干しを
桜エビと勘違いしていることも
少なくありませんし、
産地偽装されているものも市場に
出回っているようで、
「駿河湾産桜エビ」という
統一認証ラベルを貼付する取り組みも
行われ始めました。

春の風物詩の桜エビを堪能するなら、
やはり、獲れたてが味わえる
現地が一番のようです。

生をわさび醤油で食べたり、
鮮度が命の釜揚げ桜エビや
香りが高い素揚げ、かき揚げ丼なども
現地ならではのおいしさが
実感できる料理のひとつです。

桜エビと豆腐、ネギをすき焼き風の
甘辛い出汁でさっと煮た
“沖あがり”という漁師料理も
味わいたいものです。

現地以外の方で、干し桜エビを
かき揚げやお好み焼きの具に使う場合は、
調理前に干し桜エビをフライパンで
軽く炒めて使うのがオススメ。

桜エビには旨味成分が
多く含まれているので、
炒めることでその香りを
際立たせてくれます。

冷凍加工された桜エビも解凍すれば
生の桜エビに近い味わいで
食べられるので、こちらもぜひ、
お楽しみください。

辛口のお酒は、
桜エビの素材の美味しさを
より引き出してくれます。

樽酒や純米吟醸酒の冷酒と合わせて、
春の美味しさを試してみませんか。

これから春に向けて、酒の肴にぴったりのホタテが美味しい時期です。

ホタテは、日本人にもっとも食べられている貝で、その“旬”は年2回。

間もなくホタテが美味しい季節です。
早いものは桜が咲き始める頃から
出始め、ゴールデンウイーク辺りから
夏に向けて最初の“旬”を迎えます。

夏のホタテは貝柱がどんどん太く育ち、
カラダ全体を大きく
成長させる時期です。

この時期のホタテは甘みが強く、
刺身でいただくのに最適。

また、肉厚の貝柱は、
その美味しさをたらふく堪能できる
バター醤油焼きがおすすめです。

辛口の冷酒の肴としてベストマッチ。

またこれ以降、日増しに、
春の陽気に包まれる日が多くなるので、
バーベキューのときにも、
ぜひ持っていきたい
食材のひとつに数えられます。

二度目のホタテの“旬”は、
産卵時期である春に向けて
卵を大きく育てている
12月から3月頃の冬のホタテです。

この時期のホタテは旨味成分を
多く含んだ強い出汁が特徴で、
汁物や煮物など、
コクのある料理に最適。

海鮮鍋などの
人気の食材のひとつといえます。

さまざまな貝類の年間生産量をくらべ
ると、圧倒的な生産量を誇るのが
ホタテです。

2020年(令和2年)の全国生産量は
約49.7万トン(この数値は天然の
“漁獲量”と養殖の“収穫量”を
足したもの)で、その約82%の
約40.9万トンを占めるのが北海道産。

天然ホタテに限ると
年間漁獲量約34.6万トンのうち、
ほぼ100%に近い約34.54万トンもの
シェアを持つのも北海道産です。

一方、養殖ホタテの市場規模は
15.1万トンで、その第1位は青森県産で
約54%の8.2万トン、続く北海道産は
約42%の6.39万トンとなり、
この2県で約96%を占めています。

ホタテに続く生産量が多い貝類は
カキで、市場に出回るほとんどが
養殖物。

その年間収穫量は約16万トン。

第3位はシジミ約9500トン、
第4位はアサリで約8000トンと
天然物の貝類が続きます。

生産量で判断する限り、
私たち日本人の胃袋にもっとも多く
収まっているのは
ホタテということになります。

ここで注目したいのは、
魚介類全般における養殖が天然の
代用ではないということ。

はるか昔、高価な天然物に
手が出ないので、養殖物で我慢する
という時代もありました。

しかし、現在は魚介の生態研究が
科学的に行われ、適切な生育環境を
維持しつつ、安定した栄養価の高い
餌を供給する成果として、
養殖が天然を超えて、ブランド化
している実例も数多くあります。

市場出荷されるウナギのほとんどが
養殖であることや養殖マグロも
高級魚としての市民権を得ている、
養殖フグの方が美味しい
という話もよく耳にします。

実際に、世界の漁業生産量の
半分以上を占めているのが
養殖ものなのです。

市場に出回ってるホタテは
養殖物が多く、天然物とくらべても、
その味や食感、栄養の違いは
ほとんどありません。

とりわけ、日本の養殖ホタテは、
世界的な評価が高く、トップクラスの
養殖物といっても過言ではありません。

ホタテやカキの貝殻を再利用した新しい取り組みがスタートしています。

さて現在、
SDGs(持続可能な開発目標)や
ゼロカーボン社会の実現など、
環境への配慮や負荷を減らす
さまざまな取り組みが
世界的に行われています。

使い捨てプラスチックゴミによる
海洋汚染対策もそのひとつで、
レジ袋の有料化を皮切りに、
プラスチック容器や包装材を木などの
代替素材へと切り替える動きが
広がってることはみなさん
ご存知の通りです。

こうした背景のもと、これまで
ゴミとして処分されていたホタテや
カキなどの貝殻が再生利用資源として
見直されていることは、
あまり知られていません。

現在、自然分解が可能な
生物由来のバイオプラスチックの
原料として植物が使われていますが、
新たに貝殻を原料として
運用する動きが。

とくに海に生息する貝殻の再利用という
視点は海洋汚染対策に一役買いそうな
イメージがあります。

貝殻を原料にした
バイオプラスチック製の割り箸や
食器をはじめ、
焼いた貝殻をパウダー状に砕いて
水に溶かしたアルカリ性の抗菌剤や
ボルダリング競技の滑り止め、
黒板に字を書くカラーチョーク、
貝殻原料のヘルメット、貝殻を砂状に
粉砕してコンクリート用細骨材として
活用したシェルコンクリートを使った
港湾構造物や波消ブロック、貝殻の
水酸化カルシウムの作用を利用し、
腐敗菌の繁殖を抑制するフィルムによる
野菜などの鮮度保持袋、貝殻由来の
土壌改良剤を田んぼに利用して
米をつくり、さらに日本酒を造った
というプロジェクトもあります。

ホタテの身を美味しくいただき、
その貝殻を再利用したり、
自然に戻すことで成立する循環型の
社会の実現は、私たちが目指すべき
理想的な未来の形なのかもしれません。