冬の到来を告げる「木枯らし1号」。東西でその発表基準は異なります。

11月第2週、記録的な夏日から一転して初冬へ…季節は一気に動きました。

奈良時代に古代中国から歳時記が伝わり、
日本の気候風土に合わせた独自の
二十四節気や七十二候などとともに、
日本の歴史は刻まれました。

農業や漁業が中心だった
昔の庶民生活において、
歳時記は、農作業のタイミングや
魚の旬の時期を知る上で
欠かすことができない大切な情報です。

貴族階級にとっても、
季節行事や歌を詠む際に
重要な役割を果たしてきました。

歳時記と同じように、
季節ごとに異なる特徴をもつ“風”も、
季節の訪れや災害の前兆を判断する
ひとつの“ものさし”といえます。

日本各地の気候や地形に応じて吹く
“季節の風”にはそれぞれ
名前がつけられ、
その数は2000以上にものぼると
いわれています。

なかでも、群馬県で吹く北西の乾風
“上州のからっ風”や、
神戸の山から吹き降ろして来る冷たい北風
“六甲おろし”などが有名です。

また、
全国的な“風”の呼び名としては
春の嵐ともいわれる「春一番」、
そして冬の「木枯らし」など、
気象庁が季節の変わり目の指針として
毎年発表しています。

「木枯らし」はその名の通り、
木々の葉を枯らすような
冷たい冬の訪れを告げる風で、
発表されるのはその年の最初に吹く
「木枯らし1号」のみです。

太平洋側地域で晩秋から初冬の間に吹く
風速8m/s以上の北寄り(北から西北西)の
風のことを指します。

つまり、冬型の気圧配置になったことを
示す現象で、
“凩(こがらし)”の漢字を使うことも。

発表するのは東京(気象庁)と
近畿(大阪管区気象台)なのですが、
発表条件は東京と近畿で
微妙に異なります。

東京での発表条件は
“期間は10月半ばから11月末”
“季節風を伴った西高東低の冬型気圧配置”
“西北西から北の風向き”
“最大風速8m/s以上”。

一方、近畿は
“期間は霜降(10月23日前後)から
冬至(12月22日前後)”
“西高東低の冬型気圧配置”
“北寄りの風向き”
“最大風速おおむね8m/s以上”と、
東京と近畿とで判断基準は
微妙に異なります。

とくに近年、東京では2018年、2019年、
2021年、2022年に「木枯らし1号」の
発生は観測されませんでした。

今年、大きく季節が動いたのは
11月の第2週です。

11月7日に東京都心で“夏日”を記録。

1923年(大正12年)の11月1日に
観測した27.3℃を上回る
27.5℃となったことで、
100年振りの記録更新となりました。

また、11月6日と連続して
“夏日”となったことや
11月に3日目の“夏日”となったのも
観測史上初めての出来事。

この日は近畿でも
“夏日”ではないものの23.8℃と、
異例の暑さとなりました。

ところが、4日後の11月11日には
気候が一転し、今季一番の寒さとなり、
近畿では「木枯らし1号」を
観測したことを発表。

北海道や東北各地でも初雪を観測し、
東京でも冬型気圧配置となって
北寄りの風が強まったものの、
最大風速が7.4m/sにとどまり、
「木枯らし1号」の発表は
持ち越しとなりました。

とはいえ、週明けの
Tシャツで過ごせるほどの
“晩夏”のような陽気から、
週末の厳しい寒さの“初冬”へと
一気に冬模様に。

冷え込む寒い夜など、
鍋料理が美味しい季節の到来です。

もちろん鍋の横には、
旨い熱燗が欠かせません。

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熱燗で呑む灘の生一本もまた格別です。

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1年中、美味しく食べられるマグロの旬をご存知ですか。

日本人が普段食べるマグロは5種類。種類や獲れる場所で旬が異なります。

マグロの旬は、意外と知られていません。

というのも、刺身や寿司ネタなど、
1年中スーパーや居酒屋などで見かけ、
いつも美味しくいただける
魚のひとつだからです。

日本で一番のブランドマグロとされる
青森・大間産の本マグロの旬は
12〜1月です。

2023年(令和5年)には、
豊洲市場で行われた新春恒例の
マグロの初セリで、
青森・大間産の本マグロ(212kg)に
総額3604万円(17万円/kg)の
最高値がつきました。

2022年(令和4年)の最高値は、
ほぼ同じ大間産本マグロ(211kg)が
1688万円(8万円/kg)なので、
kg単価が倍以上に上昇したことになります。

しかし、同じ青森の日本海側に
位置する深浦で獲れる本マグロは、
6〜10月が解禁期間で、
定置網やはえなわ漁によって
水揚げされる“夏”が旬です。

日本海を北上して、
青森の龍飛や大間など
津軽海峡へと向かう途中、
エサを求めて深浦町沿岸に来るのが
深浦産マグロ。

大間産などが“冬マグロ”と呼ばれるのに対して
こちらは“夏マグロ”と呼ばれ、
青森県下ナンバーワンの漁獲量を誇る
立派なブランドマグロです。

1本釣りの“冬マグロ”に比べて
やや小振りですが、ほどよく脂がのっており、
しっとりとした赤身が特徴。

その旨さは群を抜きます。

マグロの種類は世界で8種類あり、
日本で実際に食べられているのは5種類。

紹介した本マグロは“クロマグロ”のことで
体長3m、重量400 kgを超える
もっとも大型の種類です。

本物のマグロという意味で
本マグロと呼ばれます。

その身はコクが強く、
独特の風味や香りが魅力です。

産地により旬が異なります。

続いて、“クロマグロ”と並び高級店の
看板食材とされる“ミナミマグロ”。

体長2m、体重100kgほどの大きさで、
とろけるようなトロの甘みは絶品。

南半球にしか生息しないため
“ミナミマグロ”と呼ばれ、
日本に入ってきた最初のものが
インド産だったため“インドマグロ”とも呼ばれます。

旬は4~9月頃の春から秋にかけてです。

大きな目が特徴の“メバチマグロ”の
体長は2m、体重100kgほど。

日本近海に回遊してくるものは
10~12月頃が旬で、
銚子から金華山沖に回遊してくるものは
4~5月頃が旬なので、
1年に2度の旬を楽しむことができます。

尾ビレや背ビレが黄色いことが
名前の由来である“キハダマグロ”。

体長は1〜2m、体重40kgほどの小型のマグロで、
年間を通して漁獲量が安定しているため
価格が安い庶民派のマグロです。

高知と九州での旬は6〜11月頃ですが、
海外輸入ものも多く、
1年中楽しめるマグロです。

最後に“ビンナガマグロ”は
“ビンチョウマグロ”とも呼ばれる体長1m、
体重10〜20kgの小さなマグロ。

味はあっさりめですが、脂ののったビントロは
回転寿司でも人気メニューのひとつ。

こちらも1年を通して獲れる種類ですが、
三陸沖で獲れるものは
8〜12月頃が旬とされています。

今の時期に店頭に並ぶマグロは、
種類にかかわらず旬揃い。

旨い燗酒と合う絶妙な美味しい頃合いです。

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冬の肌寒さを感じ始めた絶妙なタイミング…11月7日は「鍋の日」です。

「すき焼き」は、れっきとした鍋料理。関東は“煮る”関西は“焼く”の違いが。

記録ずくめの暑さを記録した
2023年(令和5年)。

東京では、暑さを示す
“猛暑日”“真夏日”“夏日”“熱帯夜”
という4つの指標すべてで
記録を更新しました。

10月20日には、
年間最多140日目となる
最高気温が25℃以上の“夏日”を記録し
昨年と並んで1位タイとなりました。

これは東京地域の記録ですが、
全国各地の多くの観測地点で
“暑さ”の記録更新となる
“異常に暑い夏”というのが
今年の傾向だったようです。

しかし、10月下旬辺りから
朝夕は肌寒い日が続き、
日中でも時折吹く冷たい風に
冬の厳しい寒さを感じ始めたら、
いよいよ、鍋の季節が到来します。

偶然にも、11月7日は“鍋の日”。

絶妙のタイミングでやってきました。

人気が集まる鍋ランキングを見ると、
“ごま豆乳鍋”や“キムチ鍋”、
“寄せ鍋”、“もつ鍋”
などが上位を占めます。

メインの食材となる肉や海鮮に加え、
大量の野菜を一緒に食べるため、
豊富な栄養を
摂取できる料理のひとつです。

意外と忘れられがちなのが
「すき焼き」。

鍋料理の
“複数の材料を同じ鍋に入れ、
共通の調味料やスープで調理し、
食べる際には皆で鍋から
取り分けて食べる”という
定義から見ても、
「すき焼き」はれっきとした
鍋料理に分類されます。

「すき焼き」は
関西発祥の料理で、
江戸中期に、農具の鋤(すき)を
鉄板代わりに使って
魚を焼いて食べたのが
始まりといわれています。

関東では当初、
肉の臭みを和らげるため
味噌ベースの味付けをした
“牛鍋”が主流でしたが、
やがて醤油ベースのタレが定着し、
牛鍋屋が増加しました。

しかし、
1923年(大正12年)の
関東大震災の動乱で
多くの店が閉店。

その後、街が復興する中で、
関西のスタイルが伝わり、
呼び名が「すき焼き」に
統一されました。

関東風と関西風の
「すき焼き」の大きな違いは、
“煮る”と“焼く”です。

関東では、
醤油や砂糖、みりん、酒に
出汁を加えた“割り下”を鍋に注いで、
ひと煮立ちさせた後、
肉や野菜などの具材を入れて
煮込みます。

しかし関西風は、
鍋に牛脂をひいて、
まず牛肉を焼くことからスタート。

この焼いた肉を取り出すか
鍋の端に寄せて野菜を入れ、
醤油や砂糖を直接振りかけます。

野菜から出る水気で
“甘辛い炒め煮”のような仕上がりに。

少量の水を回しかけたり、
最初に焼いた肉をまず食べるなど、
地域や家庭によって
食べ方が微妙に異なるのも特徴です。

関東、関西ともに同じなのが、
溶き卵につけて食べること。

昔は牛肉の臭みを消す
大きな役割がありましたが、
肉質が向上した今も変わらず
「すき焼き」の作法として
受け継がれています。

さて、「すき焼き」に限らず、
鍋料理との相性が良いのは
日本酒です。

日本酒にはアミノ酸やコハク酸などの
旨味成分が多く含まれ、
料理の旨味との相乗効果で
料理の味わいを
一層引き立ててくれるからです。

「すき焼き」のような
濃い味付けには、しっかりとした
旨味の芳醇な「樽酒」がおすすめ。

今夜辺り、
美味しい「すき焼き」と日本酒、
いかがでしょうか。

和洋中問わず濃厚な味付け・香辛料を
多く使った料理などにも合わせやすい日本酒です。
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11月3日は「ゴジラの日」。原点回帰ともいえる「ゴジラ−1.0」公開スタート。

何もかも失った終戦直後、“負(マイナス)”の脅威であるゴジラが降臨。

空をつんざくような野太い咆哮から
少しでも遠くへ離れようと
逃げ惑う人々を描いたのは、
1954年(昭和29年)に
東宝特撮陣が
その技術を駆使して世に送り出した
「ゴジラ」のワンシーンでした。

その公開日である11月3日を記念して、
「ゴジラの日」が制定されました。

初代ゴジラが公開されたのは、
終戦から9年が経って
戦禍の傷も癒え、
街の復興を成し遂げた頃のお話、
娯楽として楽しむ余裕が生まれた人々は、
未知なる巨大生物である
ゴジラの登場に熱狂しました。

初代ゴジラは、
前の年に公開されたアメリカ映画
「原子怪獣現わる」をヒントに、
プロデューサーの田中友幸が
恐竜型怪獣が登場する映画づくりを構想。

特撮監督として白羽の矢が当たったのは
戦争特撮映画で実績を積んでいた
円谷英二。

1933年(昭和8年)、
アメリカで公開された
「キング・コング」で使われた
ストップモーション・アニメーションに
感銘を受けていた彼は、
ひとコマずつ動かして撮影をする
その技法を行う予定でしたが、
撮影期間や予算の都合により断念。

特撮ジオラマと着ぐるみによる
全体の滑らかな動きに加えて、
顔のアップシーンには小さなギニョール
(胴体に手を入れて指の動きで口を開閉)
を採用したことで、
生物感のあるリアルさが増し、
世界的なヒット作品となりました。

そして、着ぐるみと精巧な特撮ジオラマは、
日本のお家芸として
世界に認知されることになります。

もし、潤沢な予算と
余裕のある撮影期間があったら、
これほどまでの人気作品に
なっていたかどうかは
分かりません。

日本でも昭和ゴジラシリーズ、
平成ゴジラシリーズ、
ミレニアムゴジラと続きました。

そして近年、CGによるシン・ゴジラや
ハリウッド版ゴジラ、
2023年(令和5年)11月3日の
ゴジラの日に公開される
「ゴジラ -1.0(ゴジラ マイナスワン)」
へと、その思想は受け継がれています。

時代とともに、ゴジラの顔つきや体格、
人類の敵または味方など…
設定も大きく変わりました。

初代ゴジラの身長が50mという設定は
ずっと受け継がれてきましたが、
高層ビルが林立する現代において、
ビル群にゴジラが埋もれてしまうため、
平成ゴジラ辺りから60〜80m、
シン・ゴジラやハリウッド版ゴジラは
100mを超えるサイズへの
設定変更が行われています。

さて、生誕70周年に先駆け、
日本で製作30作品目となる
「ゴジラ -1.0」の見所は、
初代ゴジラが登場したのと同じ戦後の日本。

終戦直後、
焼け野原と化した東京を舞台に、
何もかも失った“無(ゼロ)”に、
追い打ちをかけるように
絶望を与える“負(マイナス)”の存在で、
脅威の象徴がゴジラ。

人の目線で見上げるカメラワークが、
これまでの“観る”から“体験する”映像となり
より一層の恐怖を与えます。

また、2023年度上半期の
NHK朝のテレビ小説「らんまん」で、
植物学者の夫婦役を演じた
神木隆之介と浜辺美波が主役というのも
面白い設定です。

つい先日まで、
二人の視線の先にあった“植物”が
“ゴジラ”に変わる11月3日以降、
二人がどんな演技をするのか、
期待は高まるばかりです。

華やかに際立つ香りとフレッシュでボディ感のある味わい                 「菊正宗 上撰 しぼりたて純米・香醸 720mL」。                     

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ハロウィンの“ジャック・オ・ランタン”は、カボチャのどの品種?

普段食べているのは「西洋カボチャ」。

秋に旬を迎えた野菜が
スーパーの店頭に出揃い、
その一角で、
いつもより多く
山積みされたカボチャが
ひと際目を引きます。

カボチャは、
大きく3つに分類されます。

普段、食卓に上がるのは、
明治時代に日本に入ってきた
「西洋カボチャ」が多く、
ホクホク、ほっこりとした食感と
強い甘みが特徴です。

戦後になって
洋食が日本の暮らしに定着するのと
同じタイミングで
全国へと一気に広まりました。

また、寒さに強く、
日本の気候風土に馴染んだことも、
広める要因のひとつといえます。

その代表品種は
“えびすカボチャ
(黒皮栗カボチャ)”で
濃緑色の皮に包まれ、
油との相性が良く、
揚げ物に向いています。

“青皮栗カボチャ”は
肉質がやや硬めなので煮物に最適。

“赤皮栗カボチャ”は、
鮮やかな赤味がかったオレンジ色で、
タマネギのような形が特徴。

とくに甘味やホクホク感が強く、
皮が薄いので
そのまま皮ごと食べられるのが
人気のポイントです。

続いて、
「日本カボチャ(東洋カボチャ)」。

日本に伝わった経緯については
諸説ありますが、
室町時代の天文年間
(1532年〜1555年)に、
日本に漂着したポルトガル人が
カンボジアから
中央アメリカ原産のカボチャの種を
持ち込んだとする説が有力です。

一般のスーパーでは
「日本カボチャ」を
取り扱っていないことも多く、
産地地元の直売場や産直品のお店に
足を運べば見つかるかもしれません。

「日本カボチャ」は甘さが控えめで、
ねっとりとした食感が特徴です。

水分を多く含んでいるため、
煮物に向いたカボチャといえます。

皮が黒く、表面がデコボコした
“黒皮カボチャ
(ちりめんカボチャ)”や、
小ぶりで縦溝が深く、
切った断面が菊の花のような
“菊座カボチャ”、
京野菜のひとつで、
ひょうたんの形が特徴的な
“鹿ケ谷カボチャ”などがあります。

そして最後に、「ペポカボチャ」。

変わった形状のものが多く、
食べるより観賞用として
利用される品種が多いのが特徴。

驚くことに、
キュウリの品種だとばかり思っていた
“ズッキーニ”や、
皮をむいて輪切りにして
熱湯で茹でると身がほぐれて
麺のようになる
“金糸ウリ(そうめんカボチャ)”
などの食用以外に、
この時期に話題となるハロウィンの
“ジャック・オ・ランタン”の
材料として利用される
大きなオレンジ色の
観賞用のカボチャが
「ペポカボチャ」に分類されます。

さて、品種や産地によって
やや時期は異なりますが、
カボチャの旬は年に2回あります。

収穫のピークは7〜8月で、
この時期に市場に出回るカボチャは
水分が多く、甘さは控えめで、
ねっとりとした食感。

2回目の旬は、秋から冬にかけて、
夏に収穫したものを
貯蔵して追熟したカボチャで、
甘さが格段に増して、
ホクホクとした食感になります。

ちなみに、
追熟して美味しくなるのは
「西洋カボチャ」と
「日本カボチャ」の品種のみ。

「ペポカボチャ」の品種である
“ズッキーニ”
“金糸ウリ(そうめんカボチャ)”は
収穫したての新鮮なうちに
食べるのがオススメです。

これから冬にかけて、
その果肉が追熟し続けているカボチャは、
どんどん美味しくなっていきます。

煮物や天ぷらなど、
熱燗の肴としては
最高の食材のひとつ
といっても過言ではありません。

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