今が旬の代表格は「ズワイガニ」。他の魚介も、とっても美味しい時期です。

“松葉ガニ”“越前ガニ”などは、「ズワイガニ」別の呼び名。

今年の「ズワイガニ漁」の
解禁日は11月6日。

過去のデータを見ると、
毎年、暦の上での冬の始まりとされる
“立冬”前後に解禁されることが
多いようで、今年の“立冬”は、
解禁日の翌日の11月7日でした。

ちょうど肌寒さを感じ始める
秋真っ只中のこの季節に、
日本海沿岸各地で「ズワイガニ」の
底引き網漁がスタートし、
来年の5月31日までの9カ月にわたって
「ズワイガニ」が水揚げされます。

冬の味覚の代表格ともいえる
「ズワイガニ」は、
水揚げされる地域やブランド名、
オスメスによって
さまざまな名前を持っています。

京都から島根県にかけて水揚げされる
オス全般を“松葉ガニ”、
メスを“セコガニ”と呼び、
福井県で水揚げされる
オスは“越前ガニ”、
メスは“背子(せいこ)ガニ”、
最近よく耳にする石川県で
水揚げされるオスを“加能ガニ”、
メスを“香箱ガニ”などと
呼ぶのが有名なところ。

とくに、
“松葉ガニ”“越前ガニ”などは、
昔から知名度が高く、
別の種類のカニと思われがちですが、
同じ種類なので、
お間違えのないように。

さらに、例えば、
“松葉ガニ”の生息エリアであっても
京都丹後の間人漁港の
“間人(たいざ)ガニ”や
兵庫香美の柴山漁港の“柴山ガニ”、
兵庫県豊岡の津居山漁港の
“津居山ガニ”など、
漁港の名前や漁獲漁船の名前の
タグをつけてブランド化されたものが
市場に広く出回るなど、
「ズワイガニ」の品質管理を徹底する
ことで、その価値を高めています。

季節の旬のモノの初セリ値は
ご祝儀相場といわれ、破格ともいえる
高値をつけることが一般的です。

今年の初セリですが、
鳥取県の鳥取港では、
“松葉ガニ”一杯(一匹)、
最高値の90万円で落札されました。

2019年の初セリでは
一杯500万円の値がつき、
“競りで落札された最も高額なカニ”
としてギネス世界記録に
認定されているとのこと。

さて、
今年の初セリ価格を並べてみると、
“間人ガニ”は5杯で111万円、
“越前ガニ”が一杯80万円、
“柴山ガニ”は一杯約223万円
にもなり、“加能ガニ”は
ギネス記録と並ぶ一杯500万円もの
驚くような値がつきました。

あくまでも初セリ値なので、
市場に出回る「ズワイガニ」は
ここまで高額ではありませんが、
それでも、市場に並ぶ価格を見ると、
やや“高嶺の花”感はあります。

さて、
「ズワイガニ」の甲羅についている
黒いブツブツが気になったこと
はありませんか。

これは寄生虫“カニビルの卵”です。

見た目は気持ち悪いものの、
甲羅に付着して成長するだけで
可食部に影響はなく、
一説では、甲羅がキレイなカニより
黒いブツブツがついたカニの方が、
身がビッシリと詰まっている
といわれています。

これには、
カニが脱皮することによって
ひと回り以上も大きく成長するという
生態に深く関わっているのです。

脱皮直後は、それまで付いていた
“カニビルの卵”も一緒に脱ぎ捨て、
また脱皮前の身しか入っていないので
甲羅の中はスカスカの状態。

“カニビルの卵”が
たくさん付着しているのは、
脱皮してから時間が経っていると
想像することができ、
身が詰まっている可能性が高いと
判断されるのです。

 

「ズワイガニ」だけでなく、この時期は旬の魚が盛りだくさん。

「ズワイガニ」と同じ時期、
山口島根沖のアンコウ、
兵庫山陰沖のハタハタ、鳥取から福井
にかけて漁れるアカガレイ、
駿河湾の桜エビ、山口下関のトラフグ
日本海側を南下する寒ブリ、
丸々と太って太平洋を南下する
戻りガツオ、三重、千葉、和歌山で
漁獲半数を占める伊勢エビ、
三陸沖のマダコ、広島の真牡蠣、
北海道、東北のエゾアワビ、
北海道のホタテなど、この季節に
食べたい旬の味覚は盛りだくさん。

実は、魚介類の旬とされる
タイミングは2種類あります。

“水揚げの旬”と“味覚の旬”です。

産卵場所に集まってくる
魚群を捕獲する“水揚げの旬”は、
大量に収穫できるので
手頃な価格で市場に出回る時期です。

この時期の
卵巣(真子)や精巣(白子)は
とても美味しいのですが、
体の栄養分などを卵巣や精巣に
蓄えるため、身は痩せ細って、
正直、身の味は落ちます。

一方、“味覚の旬”は、
産卵前に体内に脂肪を蓄え出した
“脂が乗った”状態で、産卵を終えて
再び栄養を蓄え始める時期や水温が
下がって身を守ろうとする時期も、
この“味覚の旬”にあたります。

体に蓄えた栄養分によって、
深い旨みとともに、
風味のある甘みが増した状態が、
“味覚の旬”ということです。

食べ頃を迎えるタイミングは、
魚介類の種類によって
さまざまですが、
「ズワイガニ漁」が解禁される時期に
旬を迎える魚介類は多く、
絶品揃いなので、
まさに“食欲の秋”を
彩ってくれるに違いありません。

「ズワイガニ」を食べるのなら、
やはりお腹いっぱいに堪能できる
“かにすき”。

昆布ベースのやや薄めの白出汁に
カニの旨みが溶け出して香り高い
濃厚な出汁に変わっていきます。

これに合わせる日本酒なら、
出汁の濃厚さに負けない、
濃醇で雅やかな味わいの
「菊正宗 嘉宝蔵 雅」や
余韻のある旨みに吉野杉の香りを
まとった「菊正宗 純米樽酒」が
オススメです。

お好みで冷や、もしくは熱燗、
どちらでも楽しめます。

「勤労感謝の日」に思う、日本独自の“働き方改革”。

通貨価値や物価水準が大雑把に理解できる、身近に理解できる“ビッグマック指数”。

世界各国の物価水準や通貨価値などの
経済指標として話題になる
“ビッグマック指数”
というのがあります。

これはイギリスの経済専門誌
エコノミストが
定期的に発表している、
世界57カ国を対象として共通品質で
販売されているビッグマックの
価格推移を比較することで、
通貨の価値や物価水準を
推し測ることができる指数です。

たとえば、2021年7月の最新データと
当時の為替レート(1ドル=109.43円)
により、アメリカと日本とを比較。

この時のビッグマックの価格が、
アメリカ621円(5.65ドル)に対して
日本390円。

細かい計算は省きますが、
2021年7月時点の“円”は
“ドル”に対して、
37%過少評価されているとの結果に。

日本の“ビッグマック指数”は、
2021年1月データだと56ヵ国中24位の
-33.9%だったので、過小評価は
さらに進んでいる
ということが分かります。

2021年7月末現在で、
1位はベネズエラ
(921円/30,164,100ボリバル)、
2位スイス
(774円/6.5スイスフラン)、
3位ノルウェー
(693円/57ノルウェークローネ)、
4位スウェーデン
(681円/54スウェーデンクローナ)、
5位アメリカ
(621円/5.65USドル)
と続き、日本は57カ国中31位(390円)
に位置しています。

なお、1位のベネズエラは現在
ハイパーインフレ真っ只中で、
札束を抱えてビッグマックを買いに
行かなければならない状態なので、
ここから除外されるようです。

この他、世界中で販売されている
人気商品を使った指数として、
スターバックスの
“トール・ラテ指数”があります。

実際、この“ビッグマック指数”
で分かるのは、あくまでも
“現在の為替レートと比べて
実効レートがどのくらいあるか”
くらいのもの。

各国で売られている
ビッグマックの品質は多少異なり、
競合する類似商品が多いと
価格を抑えたり、
逆に高級品と位置付ける
場合もあります。

欧州諸国では
約20%前後の消費税(付加価値税)
が含まれることや労働賃金の高低、
原材料価格など、
国によって異なる背景がある
というのが正直なところです。

つまり、“ビッグマック指数”は
大雑把な目安で、
物価や通貨価値を
正確に示すものではありません。

しかし、難しく考えがちな
“経済”や“為替”を、
より身近な商品で理解する
という気軽さはありがたいこと。

このどこかの国に旅行する時の
物価目安としては、
きっと役立つはずです。

 

日本には、数字では計り知れない魅力的な働き方があります。

“ビッグマック指数”では、
日本は残念な結果ですが、
商品の価値という点において、
こうした数字では計り知れない
高い品質やサービス意識があります。

チップ文化のない日本ですが、
金銭に左右されない
ホスピタリティあふれた
“おもてなし大国”
という側面があり、
ビッグマックを買う時、
今でこそ“Smile 0円”
という表示はなくなりましたが、
笑顔の接客は、ずっと
受け継がれています。

また、価格競争力で
苦戦続きとはいえ、未だ
“メイド・イン・ジャパン”
ブランドに対する
世界の信頼は健在です。

日本が高い品質やサービス意識を
維持し続ける背景のひとつとして、
宗教観によって労働を“苦役”と
定義する多くの諸外国とは異なり、
働くことを“美徳”とする考え方が
昔から習慣づいている
ということがあげられます。

そのひとつの例として、
サッカーの国際戦の試合後、
厳密には労働ではありませんが、
日本サポーターがスタンドで
ゴミを片付ける姿が
称賛を浴びましたが、
その一方で、清掃員の仕事を奪う行為
との声もありました。

そんな長年にわたる日本の労働意識を
変えざるを得ないのは、
“働き方改革”や
“ワーキングシェア”の導入です。

もちろん、“滅私奉公”や
“サービス残業”、
“ワーカーホリック(仕事中毒)”
などは解消されるべきものなので、
日本が培ってきた世界に誇れる魅力を
十分に残しながら、諸外国とは異なる
独自の新しい働き方を見つけることが、
今後の課題といえるでしょう。

11月23日(火)は、「勤労感謝の日」。

“勤労を尊び、生産を祝い、
国民が互いに感謝し合う日”
と定義されています。

この意味を十分に噛み締めて、
自分の新しい働き方を
考えてみる1日にするのも
よろしいのではないでしょうか。

さて、“キリの良いところまで
仕事をしておく”は逆効果
ということをご存知でしょうか。

仕事に区切りをつける
ことは重要ですが、
やりかけの仕事を途中であっても
終業時間でそのままにし、翌日、
残った仕事から着手するとスムーズに
作業に入っていけるのです。

その作業の勢いで、
次の仕事に取りかかることが、
意外と効率的なんです。

まずは区切りをつけるための
残業をやめることから、
あなたの“働き方改革”をスタート
してみてはいかがでしょうか。

これは、育児や家事にも
いえることです。

「七五三」は、11月15日のお祝い行事ですが、多様化が進んでいます。

子供の成長祈願の「七五三」は、3つの別の行事の総称。

子供の成長の節目を祝う
「七五三」は、毎年11月15日に
固定されたお祝い行事で、
令和3年は平日の月曜日です。

しかし、「七五三」を迎える
子供を持つ親世代は、
ちょうど働き盛りの場合が多く、
誰もが忙しい昨今、
10月中旬から11月中旬頃辺りの
約1カ月で都合の良い日を選ぶ、
いわゆる融通のきく
子供のお祝い行事のひとつ
といえるでしょう。

最初に行われた「七五三」
については、諸説ありますが、
11月15日に第5代将軍徳川綱吉の
長男・徳松の健康を祈って行われた
“袴着(はかまぎ)の儀”が
キッカケで広まったという説が
有力で、第3代将軍徳川家光の
“袴着の儀”だったという説も
根強く残っています。

江戸期当時は、幕府を中心とした
関東圏で行われる地方行事のひとつで
、明治以降、京都や大阪などの
関西圏に伝わり、やがて
日本全国へと広まって行きました。

ではなぜ、
11月15日固定なのかというと、
まずは“11月”。

旧暦
(天保暦を最後とする太陰太陽暦)
を決める際に、
まず“冬至を含む月”を
11月にするルールがあり、
最初に決まるのが11月です。

そして、“冬至”を
二十四節気の起点に、
次々と月が決まって行きます。

例えば、“大寒”を含む月を12月、
“雨水”を含む月を1月という具合に、
月の軌道と照らし合わせ、
誤差を調整しながら、
順番に割り振ることで、
旧暦を決めているのです。

現在も、旧暦を新暦に割り当てる
時には、この方法が使われています。

さらに、十二支を月に割り振った時、
必ず干支の最初の“子の月”となる
縁起の良い特別な月ともいえます。

また、月の満ち欠けによって構成される
旧暦での“15日”は、ほぼ満月で、
暦に天球を割り当てた“二十八宿”の
“鬼宿(きしゅく)”にあたり、
この日は、“婚礼のみ凶で、
それ以外はすべて吉”とされる、
吉祥の日とされています。

つまり11月15日は、
子供の映えある将来を願うに相応しい
格別の日なのです。

もともと、「七五三」は、
平安時代に宮中で行われていた
それぞれの年齢で行う
3つの儀式が起源とされています。

ひとつ目は
“髪置(かみおき)の儀”で、
数え年3歳の女児
(昔は、男児も行なっていた)が、
それまで短くしていた髪を
伸ばし始める儀式。

続いて、“袴着(はかまぎ)の儀”。

数え年5歳の男児が、
正装の袴を初めて着る儀式で、
前述したように
「七五三」が広まる
キッカケとなった儀式です。

そして、“帯解(おびとき)の儀”は、
数え年7歳の女児が付け紐を外して、
初めて帯を締める儀式を指します。

つまり、
それぞれの年齢で行う別々の行事を、
子供の成長を祝う「七五三」と、
ひとまとめにして呼んだものなのです。

そのため、平安時代の神事的な要素が
薄れて、現在のような祝い事としての
行事色が強まったといえます。

 

「七五三」は何をするお祝い行事なのでしょうか。

祝い事として代々伝えられた
「七五三」の習慣は、その土地土地で
独自の伝統の行事となり、
それぞれ祝う年齢や内容が、
多少異なります。

そのひとつが、出雲を中心とした
山陰地方に伝わる“紐落とし”。

数え年4歳の男児女児ともに
神社にお参りするもので、
現在も「七五三」ではなく、
この“紐落とし”を
子供の通過儀礼として行っている
ご家庭が多いとのこと。

福岡でも、
“ひもとき”“へこかき”“ゆもじかき”
という年齢に応じた
「七五三」に類似した行事を
行う地域があります。

京都嵯峨の虚空蔵法輪寺で行われる
“十三参り(じゅうさんまいり)”
は、「七五三」の行事の次に続く
子供のお祝い行事で、
旧暦3月13日前後に
数え年13歳の男女が行うお参りです。

虚空蔵法輪寺

全国各地には、こうしたお祝い行事が
数多く伝わっています。

さて、具体的に「七五三」は
何をする儀式かというと、
子供に着物を着せて、近くの氏神様
(地元神社)にお参りまたは祈祷し、
写真スタジオなどで
記念撮影をすることが一般的で、
その後に家族揃って
食事会を開くご家庭も増えています。

また、「七五三」で着る晴れ着は、
参拝や祈祷によって
厄払いされているので、
お守りの意味合いがあります。

しかし、子供の晴れ着は
レンタルを利用することが多く、
半衿1枚などを買い求めて、
子供のお守りにすることを
説く神社もあるようです。

また、神社仏閣での参拝儀式の年齢は、
数え年が基本。

数え年とは、満年齢と違って、
生まれた日を1歳と数え、
正月にひとつ歳をとります。

極端な例だと、
12月31日生まれの場合、
翌日の正月に2歳
(満年齢では生後2日目の0歳児)。

1月1日生まれの子供と比べると、
約1年の体格差があることになります。

冒頭で述べたように、「七五三」は
融通のきくお祝い行事なので、
満年齢でお参りすることはもちろん、
年子の場合は1年ずらして
一緒に参拝したり、
着物ではなく洋装にしたり、
友達同士、声を掛け合って
一緒に参拝するなど、
ご家庭ごとの都合を優先することに
何の問題もありません。

大切なのは、
お子さんの成長を祝い、厄を払って、
安全を祈願することなのですから。

「ハロウィン」のカボチャは、カブの代用。その理由は?

日本に「ハロウィン」文化を定着させたのは、SNSの“映え”拡散の後押し。

昨年は新型コロナの影響での
「ハロウィン」イベントの
ほとんどが中止となりました。

今年は、緊急事態宣言などの
外出制限が解かれ、
有名テーマパークなどでは、
2年ぶりとなる
「ハロウィン」イベントを開催。

また全般的に、街中でも、
マスク着用などの
自粛をしつつの仮装ですが、
少しは華やかな活気が
戻ったような気がします。

ちゃんとした記録が
残っているものとして、
「ハロウィン」を取り扱ったのは、
1970年代キディランド原宿店が最初。

そして、1997年の
東京ディズニランドで開催した
“ディズニー・ハッピー・ハロウィン”
の仮装イベントが一気に
「ハロウィン」を広めました。

その後、オレンジや紫、黒を
ベースカラーにしたハロウィン商品や
仮装用品の販売が多方面で広まり、
昨今のSNSの普及が、「ハロウィン」の
“映え”イメージ拡散の
後押しをしたといえるでしょう。

もともとハロウィンは、
アイルランドやスコットランドに
暮らしていた古代ケルト人の
信仰が起源で、これがキリスト教に
取り込まれたものです。

ケルト人文化で1年の最終日となる
10月31日は秋の収穫を
祝う日であるとともに、
現世と霊界を行き来できる日で、
死者の霊が戻るとされていました。

この時、悪霊が一緒に来るので、
不気味な衣装をまとい、
仮面をかぶって、
悪霊を驚かせて追い払ったというのが
仮装の由来。

一方、キリスト教では11月1日は
“諸聖者の日(All Hallowe’s Day)”
という全ての成人、
殉教者を記念する祝日で、
その前夜に当たる10月31日は
“諸聖者の日の前夜
(All Hallowe’s Even)”と呼ばれ、
それが“Hallowe’en”と略されたのが
「ハロウィン」の語源です。

現在、アメリカなどでは
宗教的要素はほとんどなく、
季節催事のようなイベントとして
親しまれています。

さて、
「ハロウィン」に付きものといえば、
“ジャック・オー・ランタン”。

カボチャの中をくり抜いて、
中でロウソクを灯し、
ランプのように魔除けがわりに軒先に
吊るすのが正しいスタイル。

実は、ケルト人が魔除けとして
使っていたのはカボチャではくカブ。

では、なぜ「ハロウィン=カボチャ」の
イメージが定着したのでしょうか。

それは、キリスト教の行事として
世界に広まる中、
アメリカに伝わるのとほぼ同時に
カボチャに差し代わったといいます。

その理由は、「ハロウィン」の時期に、
アメリカはカブの生産量が少なく、
カボチャが多く
収穫されていたというもの。

それが全世界へと広まり、
現在の「ハロウィン=カボチャ」の
イメージの定着に
つながったとのことです。

「ハロウィン」が開催される初冬に
多く収穫されるカボチャは、
別の意味での旬の野菜といえます。

 

旬の野菜が美味しく身体に良いのには訳がある。

当然、海外にも旬の野菜はありますが
日本ほど、“旬の感覚”への
こだわりはありません。

輸出入や品種改良などにより、
1年を通して常備野菜が
店頭に並ぶのは、多少の差はあれ、
外国も日本と同じような状況です。

世界と大きく異なる点は、日本では、
“旬の時期に美味しくいただく”
という考え方がかなり徹底して
浸透しているということ。

これは、季節や歳時記などが
生活にしっかりと根付いている
日本独特の感覚といえます。

また、“旬の野菜は身体に良い”と、
よく耳にしますが、
それはなぜなのでしょうか。

野菜にとっての旬は、
もっとも生育に適した条件が
整った環境で生育し、
もっとも成熟した時期といえ、
旬の野菜は味が濃く、
栄養価も高い状態にあります。
旬のモノと季節外れのモノを比べると、
その栄養価は倍ほども異なるとの
研究発表もあるようです。

また、旬の期間とともに収穫量が増え、
近隣エリアで収穫されたものが
店頭に並ぶ機会も増えます。

そのため、
野菜そのものの価格ばかりでなく、
輸送コストも抑えられることとなり、
よりリーズナブルに、
新鮮な旬の味わいを
楽しむことができるのも、旬を迎えた
野菜の恩恵のひとつでしょう。

さらに、
季節のその時期に身体が欲する成分が
旬の野菜に含まれているといえます。

“新緑の春”は新しい環境で
ストレスをうけやすく、
体調不良を起こすことがあります。

旬の野菜で、
スムーズに体を目覚めさせ、
心身ともにリラックス効果を
高めることが必要です。

“疲労の夏”は、梅雨の食中毒、
猛暑期の体力消耗や食欲不振などの
季節病を引き起こしやすい時期。

夏に旬を迎える栄養価の高い食材を
上手に料理に取り入れ、
夏バテや紫外線に負けない
身体づくりが大切。

抗酸化作用の高い緑黄色野菜や
水分を多く含む野菜の
摂取を心がけましょう。

“実りの秋”は、
きのこや木の実、根菜類など、
消化器系の働きを活発にしてくれる
食材が旬を迎える、まさに食欲の秋。

“凍てつく冬”は、
野菜が冬の寒さを乗り切るために、
糖分や栄養素を多く蓄積するため、
この時期の野菜は、
自然の甘みを強く感じるとともに、
体温保持効果への期待が高まります。

旬の野菜は、健康増進という意味で、
私たちの暮らしに欠かせない
食材となっているのです。

「ハロウィン」の
“ジャック・オー・ランタン”を見て
“美味しそうなカボチャ”と
旬を感じるようになったら
立派なもの。

今夜はカボチャの煮物を肴に、
燗酒でもいかがでしょうか。

健康のため、美容のために。そろそろ「酒粕」のシーズンです。

「酒粕」は、熟成醪を丁寧に搾る“上槽”工程の副産物。

秋も深まり、
時折吹く冷たい風に冬の気配を感じて
熱燗が恋しくなる季節が到来。

ちょうどこの頃は、
“日本酒の恵み”ともいえる
「酒粕」の初出荷の時期です。

「酒粕」は、
酵母の力によって
醗酵熟成した醪(もろみ)を
搾った後に残る副産物。

約2〜3週間を経て、醗酵し終わった
熟成醪を酒袋に詰めて、
圧力をかけて搾り、お酒と「酒粕」に
分離する工程のことを
“上槽(じょうそう)”と呼びます。

この“上槽”という呼び名は、かつて、
どこの蔵でもお酒を搾る際に
“槽(ふね)”と呼ばれる箱型の
木製容器を使ってお酒を
搾っていたことの名残といえます。

この“上槽”工程で、
最初に搾られて出てくる
淡くて白く濁った
“荒走り(あらばしり)”は、
炭酸が残ったピチピチとした
フレッシュさと荒々しい味わいを
併せ持つ酒質です。

やがて、透明で味わいと香りの
バランスがとれた雑味のない
“中取り(なかどり)/
蔵元によって、中汲み、
中垂れとも呼ばれる”へと変化。

安定した酒質とされるのがこの
“中取り”。

そして“上槽”の
最後に搾り出されるのが“
責め(せめ)”です。

圧力により、やや醪成分が溶け出て、
少しだけ雑味が混ざりますが、
アルコール度高めのどっしりとした
味わいが魅力となっています。

最初の“荒走り”などを
特別なお酒として
取り出す場合もありますが、
一般的に、これらは
そのまま混ざった後、
沈殿した不溶性のタンパク質や
でんぷん等を“滓引き”工程で
取り除かれます。

そして、清く澄みわたったお酒は、
さらに濾過工程で雑味を
取り除かれるという仕組みです。

この“上槽”工程の搾る様子は、
よく水をたっぷりと含んだ
タオルに例えられます。

最初の水が滴り落ちる状態が
“荒走り”。

軽く絞るだけでたくさんの水が
流れ出すのが、次の“中取り”。

そして、最後に固く絞るのが
“責め”ということです。

日本酒の場合、最後の“責め”を
終えた後の「酒粕」の量は、
酒米を醸造した時の重量比で約25%と、
それほど強い圧力では
搾っていないことが分かります。

また、この「酒粕」歩合は
吟醸酒で約30〜40%、
大吟醸になると約50〜60%
ともいわれるほど、お酒を多く
含んでいるということです。

お酒を搾り終わった後、
水分を多く含んだ板状の「酒粕」を
丁寧に剥がす“粕剥がし工程”を
終えれば、
出荷直前の「酒粕」の完成です。

菊正宗では、酒粕の初出荷を11月初旬に予定しています。

 

健康増進&美容への効果が期待できる「酒粕」は、昔ながらの機能性食品。

「酒粕」は健康増進に
効果があると昔からいわれ、米、麹、
酵母由来の機能性成分が
濃縮された状態で豊富に含まれている
とても優秀な食品に
位置づけられています。

また、健康だけでなく、
美容面での効果にも定評があります。

まずは「酒粕」の優れた栄養価の数々。

昔から、粕汁や酒粕漬けなど、
幅広く料理に使われてきたのは、
「酒粕」の旨味成分によって旨味や
コクの増した料理になるという、
もともとの生活の知恵から。

その後、
身体の健康維持に必要なタンパク質、
エネルギー源となる炭水化物、
食物繊維、ビタミン、ミネラルなどを
豊富に含んでいるという、
健康増進のための
機能食品であるということが、
後々に解明されていきました。

続いて、美容面。

“ビタミンB群”や“食物繊維”など、
肌の代謝を高めるとともに、
肌荒れ等の原因となる
便秘を解消する成分を含むほか、
メラニン色素の増殖を防ぐ、
保湿効果を高めるなど、
美肌効果への期待が持てる成分が
豊富に含まれています。

また、日本酒にも含まれている
“α-EG”が、肌細胞の
コラーゲン産生を促進。

それにより、肌のキメを細かくする
効果が立証されています。

つまり、米、麹、酵母由来などの
機能性を持った、
米ぬか石鹸や日本酒風呂、
日本酒由来コスメなどと似た成分を、
身体の中から摂るという理屈です。

また、「酒粕」といえば、
昔ながらの栄養補給飲料“甘酒”が
思い浮かびます。

以前に、テレビで
“飲む点滴”“飲む美容液”と
紹介された“甘酒”には、
その製法で“麹甘酒”と“酒粕甘酒”の
2種類があると紹介しましたが、
そのひとつの原材料となる「酒粕」
そのものも健康増進の
宝庫といえるでしょう。

菊正宗では、
この“麹甘酒”と“酒粕甘酒”の
良い所をひとつにまとめた
「大吟醸deあま酒」
を発売していますが、
このラインアップに、さらに栄養、
美容面での効果が期待できる
“5-ALA”を配合した
「大吟醸deあま酒 5-ALA」が
新たに登場しました。

毎年、発売し始めて、
すぐに品薄となるほどの好評を
いただいている「酒粕」。

健康維持、感染抑止に
効果があるとされる成分を含んだ
「大吟醸deあま酒 5-ALA」。

健康増進、美容効果への期待を込めて
是非一度お試しください。