「敬老の日」に考えたいペットの年齢。犬や猫は、意外と早く老齢期に。

猫/小型・中型犬は8歳、大型犬は6歳から老齢期を迎えます。

もうすぐ「敬老の日」。

今回は、人のそばで暮らす
犬や猫の高齢化について
ご紹介します。

1年半にもおよぶ
新型コロナ禍にあって、
数少ない好調な業界のひとつが、
ペット業界です。

2020年度のペット市場規模は、
前年度比3.4%増の1兆6,242億円。

ペット業界の関係団体によると、
新型コロナの影響で外出を控える中、
近くのペットショップに
足を運ぶ機会が増えたことで、
衝動的な犬猫の購入が
増えていることが
好調に繋がっているとの
見解を示しています。

また飼育ペットが
増えるのと比例して、
ペットフードやトイレ砂や
消臭シートなどの消耗品、
ケア用品、動物病院などの
必要不可欠な関連業界にとどまらず、
ペット葬儀、ペットシッター、
代行散歩など、
さまざまな
派生サービスが生まれ、
ペット関連市場全体の裾野は
大きく広がり、今後も市場全体の
拡大傾向が続くだろうと
予想されています。

さて、新型コロナ禍で
家族の一員として
犬や猫を飼い始める家庭が増える中、
気になるのはペットの年齢です。

犬や猫の年齢を人間に換算すると
一体幾つに相当するのだろうか
気になるところ。

ペット年齢 猫/小・中型犬
(人の年齢換算)
大型犬
(人の年齢換算)
3カ月 5歳 5歳
1歳 17歳 12歳
3歳 28歳 26歳
5歳 36歳 40歳
6歳 40歳 47歳
7歳 44歳 54歳
8歳 48歳 61歳
9歳 52歳 68歳
10歳 56歳 75歳
15歳 76歳 110歳
16歳 80歳 117歳

赤字は老齢期年齢

犬や猫は、
実年齢が5歳までは急速に成長し、
そこから猫/小・中型犬は
1年に4歳ずつ、
大型犬は7歳ずつ年を重ねます。

また、大型犬は3歳までは、
猫/小・中型犬より成長が遅く、
6歳から急激に老化がスタート。

猫/小・中型犬も8歳あたりから
老齢期に入ります。

また、老齢期を迎えた彼らは、
稀に人間のように痴呆症を患うとの
研究発表もあります。

犬猫の寿命ですが、
1980年(昭和55年)頃は、
犬猫ともに3歳前後と
かなり短いのですが、
1990年(平成2年)になると、
犬が9歳、猫は5歳まで
寿命が延びました。

そして、2014年(平成26年)には
犬猫ともにおよそ14歳まで、
2018年(平成30年)のデータでは、
犬は微増、
外に出ない家で飼われている猫は
16歳まで平均寿命は伸びています。

つまり、ここ数十年で、
餌の改良をはじめ、
獣医師の医療技術や
薬の開発による治療環境の向上
などにより、寿命が倍以上に
延びたといえるでしょう。

しかし、老齢期を迎える年齢が
同じであると考えると、
彼らが生きている半分は
老齢期といえます。
今年の「敬老の日」は、
9月20日(月)です。

高齢者に対する感謝の気持ちで
この日を迎えるとともに、
飼っている高齢ペットにも、
家族の一員として同じく
優しい心で接してあげてください。

 

「敬老の日」と「秋分の日」が上手く重なれば、“シルバーウィーク”となります。

1966年(昭和41年)に
「敬老の日」が制定され、
2002年(平成14年)までは
9月15日固定の祝日でした。

翌2003年(平成15年)に、
祝日と週休2日制を繋いで、
3連休以上の休日を増やすために、
国民の祝日の一部を
特定の月曜日に移動させる
“ハッピーマンデー制度”を導入。

それに伴って、「敬老の日」は
9月第3月曜日となり、
土日の週休2日と繋がって3連休に。

そしてこの後に続く休日
「秋分の日」が、天文計算により
水曜日になった場合にのみ、
“祝日と祝日の間の日は国民の休日”
という祝日法が適用され
5連休となります。

この5連休になった時だけ、
4月末からの“ゴールデンウィーク”
に対して、“シルバーウィーク”
と呼びます。

また、この5連休は
毎年訪れる訳ではないので、
その希少性から“プラチナウィーク”
とも呼ばれています。

制度開始後の“シルバーウィーク”は
2009年(平成21年)
2015年(平成27年)の2回だけ。

そしてこの先は、
2026年(令和8年)まで
“シルバーウィーク”は訪れません。

とはいえ、働き方改革により、
厳格に有給休暇取得が
義務化されるようになったため、
上手に有給休暇と
「敬老の日」「秋分の日」を
組み合わせれば、
少し長めの連休取得も
可能かと思います。

まだしばらくは
治まる気配のない新型コロナ禍。

お爺さん、お婆さんの横で、
穏やかにまどろむ
年老いた犬や猫の姿は
微笑ましい限り。

外出を控えなければならないことを
悔やむより、おウチ時間を
楽しむことを考える方が、
精神衛生上、
格段に好ましいと思われます。

幸せなひと時を
お過ごしくださいませ。

「大吟醸deあま酒」に配合された“5-ALA”成分は、 新型コロナウイルスに対する強い感染抑止効果に期待大との論文を発表。

醗酵食品の代表格「大吟醸deあま酒」に、さらに“5-ALA”を配合。

「甘酒」はその製法によって、
大きく、「麹甘酒」と「酒粕甘酒」
の2つに分類され、
菊正宗の「大吟醸deあま酒」は、
このふたつの栄養成分や美肌成分の
“いいとこ取り”商品であることを
前回のコラムで紹介しました。

この「大吟醸deあま酒」の
ラインアップに、さらに栄養、
美容面での効果が期待できる
“5-ALA”を配合した
「大吟醸deあま酒 5-ALA」が
新たに登場。

“5-ALA”は“5-アミノレブリン酸”
のことで、もともと私たちが
体内に持っている天然アミノ酸です。

一般的に17歳あたりをピークに、
年齢とともに
体内の“5-ALA”の生産能力は、
ストレスや睡眠不足、
生活習慣の乱れ等によって
低下します。

その“5-ALA”を補うことで、
肝機能や代謝の向上による
活力のある健康維持が期待できる
というものです。

さらに、
コロナ禍に見舞われた現在、
この“5-ALA”が、
にわかに脚光を浴びているのを
ご存知でしょうか。

長崎大学の研究チームが、
“ヒトが体内に持っている
天然のアミノ酸“5-ALA”が、
新型コロナウィルスに対して、
強い感染抑止効果がある”との論文を
国際学術誌に発表しました。

試験管での実証実験を終え、
現在はヒトを対象とした
特定臨床研究を全国6カ所の病院で、
軽症、中等症の患者
を対象に行っているようで、
その研究実証の段階へと進んでいます。

“5-ALA”の良い所は、
もともとヒトが持っているアミノ酸
という点です。

通常の臨床実験の場合は、
試験管の後、安全性を担保するために
10年以上にもわたる
動物実験を行う必要がありますが、
緊急性が求められる中、
ヒトが持つアミノ酸である
“5-ALA”
という優位性を生かしたカタチで、
研究が着実に進行している
といえます。

この他、
柿渋に含まれる“柿タンニン”にも、
新型コロナウィルスに
強い感染抑止効果がある
という仮説に基づいた
研究も進んでいるとのこと。

遥か昔、
ある一定の感染症に効果を発揮する
抗生物質ペニシリンの発見が
アオカビからだったことや、
結核菌に効果を発揮する
抗生物質スプレプトマイシンが
土壌中の放線菌から発見されたこと
などを考えると、
こうした基礎・応用研究から
大きな発見があることへの期待も、
にわかに高まります。

 

江戸時代の夏バテ防止の飲み物として嗜まれた「甘酒」。

「甘酒」の歴史を振り返ってみると、
420年前の戦国時代末期の文献に、
それまでの“醴酒(れいしゅ)”
と同じ飲み物として、
「甘酒」という表記が
初めて登場します。

江戸時代になって以降、
暑気払いや滋養強壮、
夏バテ対策など、
夏を乗り切るための飲み物として、
江戸の庶民に愛飲されました。

現代、「甘酒」というと、
酒粕をお湯で溶いて
砂糖とおろし生姜を加えた、
身体の芯から温めてくれる
冬場の飲み物という印象が
どうしても強いのですが、
本来の「甘酒」は、夏の飲み物。

俳句では、れっきとした夏の季語に
位置付けられています。

江戸中期の小林一茶の
「一夜酒 隣の子迄 来たりけり」
という夏の句があります。

“一夜酒(ひとよざけ)”は
甘酒のことで、当時は、
冬の仕込みが終わった酒蔵が、
夏場の閑散期に一晩で醸造できる
「甘酒(一夜酒)」
を造って販売していたことを
句にしたためています。

また、
「守貞漫稿(もりさだまんこう)」
という江戸後期の三都
(江戸・京都・大阪)
の風俗、事物を説明した
類書(百科事典)には、
三都で、夏に多くの甘酒売りが
甘酒を売り歩く様子の記載が。

冷えた清涼飲料水などなかった昔、
江戸の庶民は
夏の貴重な甘みを楽しみに
「甘酒」を嗜み、
また
夏バテにも効果テキメンであったこと
も幸いして、人々の暮らしに
融け込んだ様子が伺え知れます。

ところが、
江戸初期には松尾芭蕉による
「寒菊や 醴造る 窓の前」
という句も残っています。

醴は“あまざけ”と読みますが、
寒菊は冬に咲く花。

結論からいうと、江戸時代初期、
「甘酒」は年中飲まれていたようで、
夏バテに効くという効能から、
次第に夏の飲み物として
定着していったと考えるのが、
正しい見方なのかもしれません。

現在、水分補給と栄養補給を
同時にできる「甘酒」は、
夏バテ予防や美容面の効果を
期待できるドリンクとして、
改めて注目されています。

そこに新型コロナウイルスへの
強い感染抑止効果
の研究が進められている
“5-ALA”を配合した
「大吟醸deあま酒 5-ALA」。

まずは、お試しあれ。

菊正宗「大吟醸deあま酒」が“飲む点滴”“飲む美容液”と称される由縁。

朝の情報番組での“飲む点滴”紹介で、「甘酒」の市場規模が急成長。

ずっと以前から、「甘酒」は、
主に50から60代が購買層の中心で、
知る人ぞ知る健康補助食品
という位置付けでした。

ところが、2016年(平成28年)、
朝の情報番組で、
栄養豊富なところにスポットを当てた
“飲む点滴”というキャッチーな
フレーズで紹介されて以降、
他の情報番組でも
取り上げられるようになり、
さらに、その含有栄養素から
“飲む美容液”
とも紹介されたことから、
20〜40代女性層の支持を得て
大きなブームに。

いわゆる“甘酒女子”の誕生です。

2015年(平成27年)までの
「甘酒」市場規模は、
50〜75億円規模だったものが、
2016年(平成28年)には、前年比
約4倍の200億円を突破した
「甘酒」の第一次ブームが到来。

時間とともに一過性の流行は
治ったものの、これをキッカケに、
「甘酒」の市場規模は約290億円とも
いわれるほどにまで成長しました。

とくに現在、コロナ禍にあって、
免疫力向上への期待から
消費が急増している醗酵食品。

その醗酵食品の代表格ともいえる
「甘酒」は、これまで以上に
消費者の健康志向が高まったことや、
自宅時間が増えることで
幅広い年齢層に飲用習慣が
定着していきました。

また、自宅時間でスイーツや料理の
隠し味に「甘酒」を使うなど、
第二次ブームの到来と見る向きも
いるようです。

「甘酒」の市場規模が
大きく成長するに伴って、
「麹甘酒」の需要が一気に増加し、
市場全体の6割以上を
占めるまでになりました。

以前にもこのコラムで紹介しましたが、
「あま酒」はその製法によって、
大きく、「麹甘酒」と「酒粕甘酒」の
2つに分類されます。

「麹甘酒」は、麹菌による酵素の力で
米の澱粉をブドウ糖に、
タンパク質をアミノ酸に分解。

麹菌が生産する機能性成分を
余すところなく摂取できる
自然由来のブドウ糖やオリゴ糖
による甘味を持った「甘酒」です。

米麹から造られた「甘酒」なので、
アルコールは含まれておらず、
アルコールが苦手の方や子供さんなど、
安心して飲むことができます。

「酒粕甘酒」は、酒粕を水で溶かして、
砂糖添加により甘さを調整。

酒粕が有する機能性成分を
余すところなく摂取できる
「甘酒」といえます。

ご存知のように、酒粕は、日本酒を
造る際の残った搾りかすで、
日本酒はもともと、
米と麹と水を原材料にして、
麹菌や酵母菌などの働きによって
アルコールがつくられるため、
酒粕にもアルコール分が残り、
日本酒のようなフルーティーな香りや
深いコクを楽しめる一方、
アルコールに弱い方や妊娠中の方、
お子さんは、飲む際の注意が必要です。

 

麹由来と酒粕由来。
菊正宗の「大吟醸deあま酒」は夏場の栄養補給に最適。

「麹甘酒」の主な栄養成分は、、
ブドウ糖、アミノ酸、オリゴ糖、
ビタミンなど。

ブドウ糖は小腸からそのまま
吸収されるため速やかな
栄養補給が可能。

また、ブドウ糖だけではなく、
アミノ酸、オリゴ糖、ビタミン
などといった栄養素が豊富に
含まれることから
“飲む点滴”と呼ばれているのです。

さらに、麹菌がつくるオリゴ糖は、
整腸作用が期待される
ビフィズス菌のエサとなり、
麹菌の菌体成分には
免疫賦活効果が認められています。

「酒粕甘酒」の主な栄養成分は、
ビタミンB2、B6、ナイアシン、
葉酸などのビタミンが大量に
含まれているのが特徴です。

清酒醸造工程において
酵素で分解されなかった
タンパク質(難消化性蛋白質)や
食物繊維(難消化性でんぷん)が
ギュッと濃縮されているため、
摂取した脂肪やコレステロールを
体外へ排出したり、
小腸での糖の消化吸収を抑えて
血糖値の急上昇を抑制したり、
大腸でビフィズス菌のエサになる
ことで整腸作用が期待できるなど、
非常に優秀な自然食品といえます。

それぞれに含まれている栄養成分は
異なりますが、注目したいのは、
どちらも美肌づくりに効果の高い
成分がさらに含まれる点です。

「麹甘酒」に含まれる
“エルゴチオネイン”は、
肌のキメを整える美肌効果が
認められて“飲む美容液”と称され、
「酒粕甘酒」に含まれる“α-EG”は、
保湿効果に加え、
肌細胞のコラーゲン密度を高める
効果が判明しています。

菊正宗では、このふたつの良い所を
ひとつにまとめた
「大吟醸deあま酒」を販売中。

大吟醸麹と大吟醸酒粕に由来する、
やさしい甘さとスッキリした後味、
滑らかな舌触りが、
「大吟醸deあま酒」の特長です。

夏場の暑さに疲れた身体への
エネルギーチャージとして、
ぜひお試しいただきたい商品です。

「浴衣」は夏の洒落た定番アイテムに。SNSで「浴衣」映えが拡散。

「浴衣」は、仏教とともに伝わった“湯帷子(ゆかたびら)”が原型。

今回は、「浴衣」に関するお話を。

新型コロナが発生していない、
いつもの夏シーズンであったのなら、
夏祭りや花火大会など、
「浴衣」を着る機会も多く、
また、外国からの訪日観光客が
京都の町屋で「浴衣」に着替え、
京都の街を散策するシーンが、
恒例の涼しげな夏の風物詩として
取り上げられていたことでしょう。

そんな夏の納涼シーンにつきものの
「浴衣」ですが、
その歴史は意外と古く
“仏教公伝”にまで遡ります。

“「浴衣」は、仏教とともに伝わった
“湯帷子(ゆかたびら)”が原型。

仏教公伝”の時期は、
552年や538年などの諸説がありますが
いずれの時期であったとしても、
仏教が伝わった際に建立した寺院には
湯堂や浴堂と呼ばれる沐浴のための
施設が併設され、それが日本の
“風呂”の起源というのが定説です。

というのも、それまでは、
神道の風習による、
川や滝で行われた沐浴の一種とされる
“禊(みそぎ)”により身を
清める習慣や
桶に水を張って身体を洗う
“行水”が、いわゆる
風呂のようなものでした。

それが、“仏教公伝”とともに、
病を退けて福を招来する沐浴施設が
伝わったことで(当時伝わった
“風呂”は、薬草を入れた湯を
沸かして、その蒸気を取り込んだ
蒸し風呂スタイル)
“風呂”に入ることが、
習慣となっていきました。

また、“風呂”と一緒に
沐浴時の衣装も伝わりました。
沐浴時の衣装、つまり、
飛鳥時代の女性の斉明天皇が
湯浴みの際に着用していた
バスローブのような形の
“湯帳(ゆちょう)”や、
平安時代に貴族が風呂に入る際に
着用した“湯帷子(ゆかたびら)”が
「浴衣」の原型です。

前述したように、最初は“湯帷子”を
着て蒸し風呂に入るのが、
最初の“風呂”のスタイル
といえます。

“ゆかたびら”という単語の
発音から転じて「浴衣」になったと
考えると、自然と納得がいきます。

時は流れ、安土桃山時代には、
裸で湯に浸かる“入浴”という習慣が
定着し、湯上がりに濡れた肌の水気を
吸い取らせるために“湯帷子”を
着るようになりました。

江戸時代になって木綿が普及し、
それまでの麻織物に
取って代わるように、
より吸水性の高い綿織物の
“湯帷子”が登場。

このスタイルが庶民の間で流行し、
やがて現代の「浴衣」へと
繋がっていくことになります。

鎌倉時代に一部で鉄湯船という施設が
あったようですが、
浴槽に湯を張って身体を浸ける、
現在の“入浴”スタイルが
いつ頃発生したのかは不明です。

古くからの“行水”と、伝わった
“蒸し風呂”が融合して、現在の
“入浴”スタイルになったと
考えられています。

 

ここ最近になり、夏場に「浴衣」を着る機会は、かなり増えていました。

近代になり、“湯帷子”が転じた
「浴衣」は、
湯上がりに着る“部屋着”
として重宝されました。

洋服が日本に伝わり始めた頃は、
まだ庶民の服装は和服の時代です。

それが、昭和になって洋装が
増えると同時に、“寝巻き”としての
役割が主流となっていきます。

そのため、昼間に「浴衣」を着て
外出するのは、今でいうパジャマで
外出するようなもので、
ややはばかられる時期もありました。

現代の「浴衣」は、
夏場のお洒落アイテムのひとつです。

冒頭で述べた花火大会やお祭り、縁日
時にはスポーツ観戦やテーマパーク
などで“浴衣ナイト”などの
イベント開催など、
夏場に「浴衣」を着る機会が
増加したことが「浴衣」人気に
拍車をかけます。

また、SNSでの“映え投稿”などでも、
夏場のバズる
ファッションアイテムとして
欠かせない存在感を
発揮しているというから驚きです。

手頃な価格で着やすい「浴衣」は、
訪日外国人のお土産としても、
かなりの人気のようです。

先ごろも、イタリアの
女子新体操チームが、
日本での試合後の
くつろいだオフショットとして、
カラフルな「浴衣」を着た写真を
SNSに投稿し、話題となりました。

バスローブのように自由に着る様は
微笑ましいのですが、
できれば正しい着付けにより
「浴衣」を着てもらえたなら、
本来、着物が持つ様式美や
粋な着こなしを
実感していただけたかもと思います。

着物に限らず、日本の伝統文化は、
長い歴史によって確立された
様式美というものがあります。

いわゆる伝統に裏付けられた
ある種の敷居の高さでしょうか。

その敷居の高さを下げて
ニーズを得るのではなく、
その高い敷居のまたぎ方を
教えることが、その文化が持つ
伝統の深みが伝わるものです。

「浴衣」を始めとする
着物文化のみならず、
私たちが取り扱う日本酒文化、
和食文化、和建築文化など、
日本の伝統文化は、知れば知るほど、
かなり深く、
かなり粋な風格を持っています。

1日も早く、当たり前の日常が戻り、
夏の風物詩として、何の気兼ねもなく
「浴衣」を着て出かけることを
願うばかりです。

2021年「打ち上げ花火」の開催事情。観覧時は、密を避けて、マスクをお忘れなく。

「夏の風物詩「打ち上げ花火」。昨年と比べると開催数も徐々に増えています。

夜空に大輪の花を咲かせる
「打ち上げ花火」は、
夏を代表する風物詩のひとつ。

いつもなら、花火大会は、
早いところで7月半ばから始まり、
8月に入るあたりからお盆頃に向けて
全国的な打ち上げ花火ラッシュと
なるところですが、
1年半にわたって続く
新型コロナ禍のため、
昨年の花火大会は
ほとんど中止となりました。

今年も中止のところが多いのですが、
一部、規模を縮小したり、
開催時期を延期したりするなど、
新型コロナ対策を十分にとって
開催される花火大会もあるようです。

日本三大花火大会に名を連ねるのは
秋田県の「大曲の花火」、
茨城県の「土浦全国花火競技大会」、
新潟県の「長岡まつり花火大会」
です。

残念ながら、
「大曲の花火」
「長岡まつり花火大会」は
中止と発表されましたが、
「土浦全国花火競技大会」は、
11月6日に延期予定。

これら以外の人気の花火大会の
開催予定状況は、
次の通りですが、
新型コロナの蔓延状況に応じて
変化するのでご注意を
(7月末現在)。

  • 北海道「帯広 勝毎花火大会」
    /中止
  • 秋田県「港まつり 能代の花火」
    /中止
  • 茨城県「大洗海上花火大会」
    /中止
  • 群馬県「高崎まつり大花火大会」
    /9月4日開催予定
  • 東京都「隅田川花火大会」
    /中止
  • 神奈川県
    「湯河原温泉海上花火大会」
    /8月21日開催予定
  • 埼玉県
    「西武園ゆうえんち 大火祭り」
    /9月5日まで、毎日開催
  • 静岡県
    「全国花火名人選抜競技大会
    ふくろい遠州の花火」/中止
  • 愛知県
    「岡崎城下家康公夏まつり
    花火大会」/中止
  • 愛知県
    「ISOGAI花火劇場
    in 名古屋港」
    /12月中旬開催予定
  • 滋賀県「びわ湖大花火大会」
    /中止
  • 三重県
    「伊勢神宮奉納全国花火大会」
    /中止
  • 大阪府「天神祭奉納花火」/中止
  • 大阪府「なにわ淀川花火大会」
    /中止
  • 大阪府「泉州夢花火」
    /8月28日・29日開催予定
  • 兵庫県
    「姫路みなと祭 海上花火大会」
    /11月13日開催予定
  • 鳥取県
    「米子がいな祭大花火大会」
    /中止
  • 長崎県
    「ハウステンボス
    九州一花火大会」
    /9月18日開催予定
  • 福岡県
    「メッセージ花火
    “愛・勇気・希望”恋の浦」
    /8月21日開催予定
    (320台限定のドライブイン方式)

有名な花火大会を紹介しましたが、
これでもほんの一部。

注目したいのは、
花火会場に車を乗り入れて、
車の中から花火を見上げる
ドライブイン方式が、
外出自粛の現在、
チラホラと増えていること。

今後、これ以外にも新しい
「打ち上げ花火」観覧スタイルが
生まれるかも知れませんね。

 

「打ち上げ花火」は、なぜ夏の風物詩なのでしょうか?

ここで、「打ち上げ花火」は、
なぜ夏の風物詩なのか
という疑問が湧きます。

まず、
「打ち上げ花火」の起源については、
江戸時代に隅田川で行われた
“水神祭”説が有力です。

当時、
江戸で流行った飢饉・疫病による
多数の死者の御霊を慰め、
悪疫退散を願って、
隅田川の川開きの日に
“水神祭”を開催し、
その際に、
「打ち上げ花火」を上げたのが
始まりとされるというもの。

同時に、
木造建築がひしめく江戸の町では
火事が多く、
当時の幕府が町屋近辺での
花火を禁止し、
“川の近くなら花火をしても良い”
というお触れを出したことと、
夏の暑さをしのぐ納涼の場が
川べりであったことが合わさって、
夏の川開きと「打ち上げ花火」は、
切っても切れない関係と
なっていきました。

もともと、
古くからお清めの儀式に
“火”が使われ、
花火を打ち上げる花火師が
次々と競うように現れたことも、
華やかなものを好む江戸の庶民に
受け入れたと考えられます。

花火の打ち上げが
川開きの行事として根付き、
やがて夏の風物詩として
認知されるようになりました。

時代が移り変わった現在、
安全面に配慮した
冬の「打ち上げ花火」も可能で、
実際に冬場のお祭りやスキー場での
「打ち上げ花火」もあります。

しかし、
寒さが厳しい冬に
屋外で空を見上げることや、
冬は風が強いという気候状況が、
「打ち上げ花火」には
あまり適していないため、
冬よりも、
圧倒的に夏の「打ち上げ花火」の方が
多いといえます。

現在はやはり、
観客が集まりやすい
規模の大きな花火大会は
中止のところが多く、
新型コロナ禍の収束を待つ
開催延期が多いようです。

来年こそは、こうした心配もなく、
かつてのように、普通の生活の中で
「打ち上げ花火」を楽しめることに
期待したいものです。