「すき焼き」は、れっきとした鍋料理。関東は“煮る”関西は“焼く”の違いが。
記録ずくめの暑さを記録した
2023年(令和5年)。
東京では、暑さを示す
“猛暑日”“真夏日”“夏日”“熱帯夜”
という4つの指標すべてで
記録を更新しました。
10月20日には、
年間最多140日目となる
最高気温が25℃以上の“夏日”を記録し
昨年と並んで1位タイとなりました。
これは東京地域の記録ですが、
全国各地の多くの観測地点で
“暑さ”の記録更新となる
“異常に暑い夏”というのが
今年の傾向だったようです。
しかし、10月下旬辺りから
朝夕は肌寒い日が続き、
日中でも時折吹く冷たい風に
冬の厳しい寒さを感じ始めたら、
いよいよ、鍋の季節が到来します。
偶然にも、11月7日は“鍋の日”。
絶妙のタイミングでやってきました。
人気が集まる鍋ランキングを見ると、
“ごま豆乳鍋”や“キムチ鍋”、
“寄せ鍋”、“もつ鍋”
などが上位を占めます。
メインの食材となる肉や海鮮に加え、
大量の野菜を一緒に食べるため、
豊富な栄養を
摂取できる料理のひとつです。
意外と忘れられがちなのが
「すき焼き」。
鍋料理の
“複数の材料を同じ鍋に入れ、
共通の調味料やスープで調理し、
食べる際には皆で鍋から
取り分けて食べる”という
定義から見ても、
「すき焼き」はれっきとした
鍋料理に分類されます。
「すき焼き」は
関西発祥の料理で、
江戸中期に、農具の鋤(すき)を
鉄板代わりに使って
魚を焼いて食べたのが
始まりといわれています。
関東では当初、
肉の臭みを和らげるため
味噌ベースの味付けをした
“牛鍋”が主流でしたが、
やがて醤油ベースのタレが定着し、
牛鍋屋が増加しました。
しかし、
1923年(大正12年)の
関東大震災の動乱で
多くの店が閉店。
その後、街が復興する中で、
関西のスタイルが伝わり、
呼び名が「すき焼き」に
統一されました。
関東風と関西風の
「すき焼き」の大きな違いは、
“煮る”と“焼く”です。
関東では、
醤油や砂糖、みりん、酒に
出汁を加えた“割り下”を鍋に注いで、
ひと煮立ちさせた後、
肉や野菜などの具材を入れて
煮込みます。
しかし関西風は、
鍋に牛脂をひいて、
まず牛肉を焼くことからスタート。
この焼いた肉を取り出すか
鍋の端に寄せて野菜を入れ、
醤油や砂糖を直接振りかけます。
野菜から出る水気で
“甘辛い炒め煮”のような仕上がりに。
少量の水を回しかけたり、
最初に焼いた肉をまず食べるなど、
地域や家庭によって
食べ方が微妙に異なるのも特徴です。
関東、関西ともに同じなのが、
溶き卵につけて食べること。
昔は牛肉の臭みを消す
大きな役割がありましたが、
肉質が向上した今も変わらず
「すき焼き」の作法として
受け継がれています。
さて、「すき焼き」に限らず、
鍋料理との相性が良いのは
日本酒です。
日本酒にはアミノ酸やコハク酸などの
旨味成分が多く含まれ、
料理の旨味との相乗効果で
料理の味わいを
一層引き立ててくれるからです。
「すき焼き」のような
濃い味付けには、しっかりとした
旨味の芳醇な「樽酒」がおすすめ。
今夜辺り、
美味しい「すき焼き」と日本酒、
いかがでしょうか。
和洋中問わず濃厚な味付け・香辛料を
多く使った料理などにも合わせやすい日本酒です。
吉野杉の爽やかな香り「上撰 純米樽酒 720ml」
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