全国に点在する“紅葉”の名所。近頃のおすすめは京都の貴船神社界隈です。

光合成が関係する“紅葉”のメカニズム。光と気温の変化が絶景を魅せてくれます。

秋の風物詩のひとつに
“紅葉(こうよう)”があります。

しかし、実際の“紅葉”の見頃は
11月の晩秋から12月の初冬にかけて
のこと。

この“紅葉”に
大きく関わっているのが光合成です。

春から夏にかけて、
太陽の光、樹木が蓄えた水分、
そして
空気中の二酸化炭素による光合成で
樹木の維持・成長を行なっています。

その際、
葉は光合成に必要な葉緑体の中に
クロロフィルという色素を含むことで
鮮やかな緑色に輝きます。

しかし、夏を過ぎて
日照時間が短くなり、
気温が低くなることで
光合成の効率がどんどん低下。

それにも関わらず、
クロロフィルが
光を吸収し続けることで、
有害な活性酸素を
発生しやすくなっています。

そこで、樹木は防衛本能として
クロロフィルを排出し、
同時に光を遮る
アントシアニンという成分を
生成し始めるのです。

アントシアニンの赤い色素が
増加するのと同時に
クロロフィルが減少し、
葉の色は緑から黄色、
そして赤い色へと変化するのが
“紅葉”です。

黄色く色づくイチョウなどは、
アントシアニンを生成しない品種で、
緑のクロロフィルの減少によって、
もともと持っている黄色い
カロテノイドという
色素が目立ったものです。

葉が色づくことで、
木は葉に蓄えていた栄養を
樹木本体に吸収し、
色が変わった葉は、
やがて落ち葉に。

季節ごとに繰り返される
自然のサイクルの美しさがそこに宿り
私たちは毎年、見事な絶景を
目の当たりにできる訳です。

さて、
嵐山(京都)、
日光(栃木)、
邪馬渓(大分)が
日本三大“紅葉”の名所として
有名ですが、
それ以外にも見事な“紅葉”の名所が
全国に点在し、
自宅から少し足を伸ばせば、
容易に“紅葉”スポットに
たどり着けます。

近年注目されているのが
京都の奥座敷
“貴船のモミジ狩り”。

鴨川が“Yの字”に分岐する
叡山電車始発駅・出町柳駅から
約30分の貴船口駅が最寄り駅で、
貴船神社本社へと続く
南参道石段両脇の
燃えるような“紅葉”が
出迎えてくれます。

また、叡山電車の市原駅から
二ノ瀬駅までの
“モミジのトンネル”
と呼ばれる箇所は、
線路脇に立つモミジの葉先が
電車に触れるほど
隣接しているのが魅力です。

季節が深まるほど
色の濃い
鮮やかな
赤いカーテンの
間を縫うように走る様は、
まさに圧巻で
一見の価値があります。

実は、本当の見どころは
“モミジのトンネルの
ライトアップ”から
“貴船モミジ灯篭”へと続く
ライトアップされた
“夜のモミジ鑑賞”なのですが、
残念ながら、
今年のライトアップイベントは
11月26日(日)で終了。

叡山電車の車窓から迫り来る
“紅葉”や駅舎にそびえ立つ
モミジの木がライトアップされ、
貴船神社では
参道石段にずらっと並ぶ
赤い灯籠に火が灯り、
それを覆うモミジの様子は、
多分これまで観たこともないような
美しい幻想的な風景を醸し出します。

ライトアップは来年のお楽しみに残し
京都観光を兼ねて
あと少しは楽しめそうな
沿線に広がる深い赤色に染まった
“紅葉”を
観に行ってはいかがでしょうか。

心豊かなひとときになること
間違いありません。

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