新しい“祝日”としての期待が高まる、6月10日「時の記念日」。

平成に入って以降、休日は確実に増加傾向に。

1988年(昭和63年)、
当時のビジネスシーンを
象徴するかのように
“24時間戦えますか?”
というキャッチフレーズの
栄養ドリンクが登場。

昭和の日本では、
長時間労働や休日出勤など、
がむしゃらに働くことが
美徳とされていました。

徹夜自慢や連勤自慢が
“仕事ができる証”
とされていた時代です。

しかし、平成を迎えた頃から、
世界的な人権意識が高まり、
働き方も大きく変化していきました。

主だった変化として挙げられるのが、
年間休日数や1日の労働時間、
有給休暇の取得など、
休日取得の改善です。

日本と世界では、
休暇スタイルが異なります。

欧米諸国では
約1カ月間のサマーホリデーや
10日ほどのクリスマス休暇など、
長期休暇を取るのが
もっともポピュラーな休暇スタイル。

一方、日本では
祝日を組み合わせた連休で
長期休暇を取るのが一般的です。

労働基準法が初めて制定されたのは
1947年(昭和22年)で、
労働時間の定義は
“1日8時間、週48時間労働”でした。

時代の流れに沿って議論は重ねられ、
大きく変わったのは、
1993年(平成5年)の
“週40時間労働”の本格稼働です。

これによって
1日8時間労働で週5日労働が実現し、
「完全週休2日制」が定着しました。

続いて2000年(平成12年)から
施行されたのが
「ハッピーマンデー制度」です。

それまで固定だった祝日を
“○月の第○月曜日”に移動させ、
土・日・月の3連休を
つくり出しました。

さらに、2019年(平成31年)には
「有給休暇の取得」が
法律で義務化され、
ゴールデンウイークや夏季休暇、
年末年始の休暇と組み合わせることで、
実質的に10日以上の連休も
可能になったという訳です。

現在、日本の祝日は年間15日で、
その日数が世界1位であることは
あまり知られていません。

祝日がない月は6月と12月ですが、
12月には年末年始休暇がからむため、
土日以外の休みがないのは
6月だけです。

6月は梅雨の時期と重なって
不快指数が高まり、
過労死問題にも直結するため、
過去には何度か
祝日設立の機運が
高まったこともあります。

6月の祝日候補として
度々名前が挙がるのが
6月10日の「時の記念日」です。

この日は、
671年6月10日に天智天皇が
漏刻(ろうこく)という水時計で
時を計り、時刻を知らせた記録が
日本書紀に記されていることに
由来します。

1920年(大正9年)、
「“時”展覧会」が開催された際に、
「時の記念日」が制定されました。

制定から100年以上、
その由来まで遡ると1350年を超える
長い歴史を持つ「時の記念日」は、
祝日に相応しいと
いえるのかも知れません。

現代では、
世界がサプライチェーンで結ばれ、
IT系の企業が中心となって
世界経済が回っています。

国をまたいだ経済活動も活発化し、
世界基準で考えることが
必要な時代ともいえます。

その中で、
“休日”整備も急がれるところです。

まずは
6月に新しい祝日が増えることに
期待したいものです。