変わりゆく映画のスタイル、変わらない映画の感動は普遍のエンターテインメント。
戦後の高度成長期、
日本は復興の波に乗り、誰もが
がむしゃらに働く時代でした。
働くことが美徳とされ、貧しい中でも
希望に満ちた街並みが広がり、家族や
友人とともに笑顔を分かち合う日々。
その姿は映画「ALWAYS 三丁目の夕日」に
描かれるような、小さな幸せが
ぎゅっと詰まった世界観そのものでした。
そんな時代、日々の労働を支えた
楽しみが「映画」です。
週末に映画館に足を運ぶことは、
気軽に楽しめる数少ない娯楽のひとつで、
心を豊かにしてくれるひとときでした。
1950年代から1960年代初頭、
日本の映画産業は全盛期を迎え、
銀幕の世界に熱狂する観客たちで
映画館は賑わいました。
しかし、テレビが急速に普及し、
1964年には90%以上の家庭に
テレビが導入されると、
映画館に足を運ぶ人々の数は
減少の一途をたどります。
1958年には約11億人を記録した
観客動員数が1970年には約2億人台にまで
落ち込み、映画は“特別な体験”から
“日常的な楽しみ”へと
姿を変えていきました。
それでもなお、
映画は人々に愛され続けました。
名作や大作は毎年のように
興行記録を更新し、
正月の新春ロードショーなど、
映画館で観ることが特別なイベントとして
残り続けたのです。
近年、
映画業界はさらなる変革を遂げています。
インターネットの高速化や
スマートフォンの普及に伴って、
NetflixやDisney+、WOWOWなどの
ストリーミングプラットフォームが急成長。
従来の映画配給にとらわれない
新しい鑑賞スタイルが確立されました。
これらのプラットフォームでは、
一般映画を凌ぐ予算で制作された
オリジナル作品が次々と配信され、
世界中の視聴者を魅了しています。
たとえば、日本発の人気アニメ
「ワンピース」の実写化プロジェクトは
世界的な話題を呼び、
真田広之が主演した「SHOGUN 将軍」は
第76回エミー賞で史上最多となる
18部門を受賞する快挙を成し遂げました。
一方、低予算で制作された
インディーズ映画がSNSを中心に
異例のヒットを飛ばす現象も
注目されています。
「カメラを止めるな!」や
「侍タイムスリッパー」などの作品は、
そのユニークさと物語の力で
観客の心をつかみました。
単館上映スタートの
「ベイビーわるきゅーれ」は
シリーズ化を果たし、
主演の高石あかりは、
朝ドラオーディションとしては
過去3番目に多い総応募数2892人を
勝ち抜いて2025年度秋のNHK朝ドラの
ヒロインに選ばれるなど、
映画界の新たな可能性を感じさせます。
映画は時代とともに形を変えながらも、
つねに人々の心を
魅了し続けてきました。
今年の年末年始、
映画をどのように楽しみますか?
映画館の大きなスクリーンで堪能、
ストリーミング配信で気軽に話題作を
楽しむ、テレビ番組の特別企画で
家族と語らうなど、それぞれのスタイルで、
映画というエンターテインメントを
存分に味わってください。
映画が提供する感動や驚き、
そして喜びは時代が変わっても決して
色あせることはありません。
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