
増える猫の飼育頭数と寿命。その背景にある社会的な理由。
にゃん、にゃん、にゃん…
2月22日は「猫の日」です。
愛猫家の文化人が発起人となり、
“猫と一緒に暮らせる幸せに感謝し、
猫とともにこの喜びをかみしめる記念日”
として制定されました。
世界にも猫の日はありますが、
日付は国によって異なります。
日本では猫の鳴き声“にゃん”
にちなんだ語呂合わせで
この日が選ばれました。
日本では猫の鳴き声を
“にゃー”や“にゃん”と表現しますが、
海外では“ミャウ”など異なる音で
表現されることが多いようです。
もし日本でも“ミャウ”
と表現されていたら、猫の日
は3月になっていたかもしれません。

興味深いことに、日本の研究では
“にゃー”“にゃん”は甘えや安心、
“ミャウ”は興奮や要求を示す
とされています。
日本と猫のより深い愛情を
感じられるエピソードです。
かつて日本では
犬の飼育数が猫を上回っていました。
しかし、2010年頃から犬の飼育数が
減少し、2017年には猫の飼育数が
犬を超えます。
犬は散歩やしつけ、トリミングなどの
手間と費用がかかります。
一方、猫は室内で静かに飼えるため、
共働きや単身世帯の増加、
高齢化社会の日本では
飼いやすいペットと考えられています。

また、野良猫の保護活動が広まり、
譲渡が積極的に行われることも
猫の飼育数増加に影響しています。
江戸時代は3〜5年、
昭和後期には約10年、現在は15年前後が
平均寿命とされています。
中には20年以上生きる猫も
珍しくありません。

寿命の延びには、獣医療の進歩や
栄養価の高いキャットフードの流通、
ワクチン接種の普及、完全室内飼育の
増加が大きく影響しています。
室内飼いの猫は交通事故や
感染症のリスクも低く、
健康的で安全に長生きしやすいのです。
日本猫(和猫)は外来種に比べて
丈夫で長生きしやすいといわれています。
これは、野良生活で自然交配を
繰り返してきた結果、
遺伝的に強い個体が生き残る傾向が
あったためです。
また、日本の気候に適応しやすい
体質を持ち、寒暖差や湿度の変化に
強いのも特徴です。

たとえば、日本猫の代表である
三毛猫のメスが多いのは、
性染色体の影響によるものです。
一方、外来種の多くは人為的な
交配によって生み出されたため、
遺伝的な疾患を持ちやすい品種もあります。
鼻が低く短い品種は呼吸器の問題を
抱えやすく、短足の品種は関節の病気に
かかりやすいといわれます。
ただし、適切な繁殖管理が行われた
外来種は健康を維持しやすく、
それぞれ特徴的な魅力を持っています。

日本では高齢化が進み、
子供が巣立った後の老世帯が
増加しています。
そのような家庭にとって、
世話の手間が少なく、
穏やかに寄り添ってくれる猫は、
かけがえのない存在になりつつあります。
冬の寒い夜に布団に潜り込んできたり、
ツンデレな性格も多くの人を
魅了する理由のひとつです。
今後も猫の人気は続き、
生活に寄り添うパートナーとして
愛されていくことでしょう。
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