盃を交わして距離を近づける「新入社員歓迎会」。

※イメージ画像です。

春とともに、フレッシュな顔が登場。

春の訪れとともに、新入社員が仲間に加わります。

さまざまな企業の“入社試験”
という関門をくぐり抜けた
選ばれた精鋭たちです。

入社後、会社の業務を経験して
いく中で、やがて学生気分も抜け、
夏頃には立派な社会人の顔つき
となってくることでしょう。

そして、この先の勤続約30年を
過ぎたあたりから、
現在の初々しい顔ぶれが会社を
動かす役員をはじめとする管理職に
名を連ねていくことになります。

業績不振により新卒雇用を見送ったり
、離職率の高い会社などでは、
将来を担う世代の空洞化に成り兼ね
ないため、優れた人材確保は
急務の課題といえるでしょう。

学生にとっても、就職は一生を決める
大切な節目となるため、
“個性が生かせる”企業の内定をとる
ために、早い時期からの情報収集に
躍起にならざるを得ない状況です。

こうした就職活動のひとつの指標
となるのが、文部科学省や厚生労働省
が発表する大卒就職率です。

2018年の就職率は98%を記録し、
1997年の調査開始以来、
3年連続で過去最高を更新。

高校卒業就職率も98.1%と8年連続で
高水準をキープしています。

高水準の就職率維持にもかかわらず、
昨年9月に経団連が、就職活動に
おける面接開始の時期などを定めた
“就活ルール”を2021年卒の
就活生を最後に廃止する意向
を表明しました。

この背景には、経団連に所属しない
外資系やベンチャーなどの
“就活ルールに縛られない”企業への
就職率が高まったことも
起因しています。

明確な就活のルールは
約70年前にまでさかのぼります。

1952年に
“大学4年の1月以降の就職選考”
を基準とする「就職協定」が
結ばれるものの
“罰則のない紳士協定”のため、
協定破りが横行。

採用の早期化による
「青田買い」は当たり前、
それよりも早い
「種もみ買い」まで登場。

バブル期には、
“他社の試験日に海外旅行に
連れて行く”
“入社準備金として現金を配布する”
など、優秀な人材を確保するために、
あの手この手で囲い込みが
行われました。

こうした協定の形骸化に伴って、
1996年に就職協定は廃止に。

それ以降も、さまざまな就職のルール
や規約が策定され、数年ごとに変わる
就活開始時期に翻弄される
就活生や企業の姿がありました。

会社の組織は、その時々の時代に
流行った、“売り手市場”
“買い手市場”“就職氷河期”
“ゆとり世代”“団塊ジュニア”
などのキーワード象徴される
幅広い世代が、同じ船に
乗っているようなもの。

それぞれの世代が、お互いを尊重して
、距離感を近づけることが、本来の
企業活動という“航海”に乗り出す
ために必要なことといえます。

 

新入社員歓迎会は、お互いの距離を縮める“場”。

こうした新しい顔と古参社員の距離
をグッと近づけてくれるのが
「新入社員歓迎会」の役割です。

歓迎会で大切なのはひとつだけ。

好意を持って“相手のことを、
良く知る”ことです。

確かに仕事のことを理解するため
に必要な“場”ではありますが、
ほとんどの話が仕事づくしでは、
気が休まりません。

それよりも、趣味や住んでいる所、
出身校などの、他愛もない話を
しているうちに、お互いの共通点
が見つかるはずです。

例えば、昨年大ヒットした映画
「ボヘミアン・ラプソディ」の曲を
クィーンが発表したのは
1975年のこと。

還暦を間近に控えた上司が
高校生時代に聴いていた曲です。

みんながよく知っている
漫画「ONE PIECE」が
連載を開始したのは1997年、
約20年前のことです。

広げられる話題は数多くあります。

“最近の若い奴は”
“年寄りは、頭が堅い”などの
固定概念に縛られていたのでは、
お互いの良い関係など
築けるはずもありません。

若い人達がこうした場を嫌うのは、
セクハラ、パワハラが蔓延した席に
なりがちなこともあるようで、
一部で「セ・パ交流戦」とも
揶揄されているようです。

“セ”はセクハラの“セ”、
“パ”はパワハラの“パ”
を意味しています。

逆に、宴席での愚痴を動画や画像と
一緒にSNSにアップする若者に
ありがちな行動については、
年配者が眉をひそめる要因のひとつ。

宴席でのスマホいじり
もいただけません。

お互いが、相手のことを気遣い、
少しだけ歩み寄ることが、
和やかな宴席にするための秘訣です。

宴席でつきものといえば
「お酌」です。

基本は“年少者から年長者へ”
“目下から目上の方へ”ですが、
新入社員歓迎会なので、
ここは歓迎の意味を込めて
“部署の上司から新人へ”と、
懐の広さを見せては
いかがでしょうか。

余談ですが、
お酌の際は手ぶらで移動し、
その席にあるお酒を注ぎます。

また、注がれたお酒は、
飲み干さないまでも、
必ず口をつけるのがマナーです。

日本酒をお酌する際は、
徳利を両手に持って注ぐのが基本。

テーブルにある盃に注ぐのは
「置き注ぎ」というマナー違反
なので、相手が盃を持ってから
注ぐようにしましょう。

 

異なる世代とはいえ、
これから一緒の方向へ
向かって進む仲間です。

先輩社員は惜しみなく
蓄積してきた“生き様”を見せ、
若い人たちは少しでも前に進む
“学ぶ姿勢”を見せることで、
その企業は大きく発展
していくように感じます。