打ち上げ花火と日本酒に共通する、繊細で華麗な“技”。

夏の風物詩“打ち上げ花火”の起源。

夏を代表する風物詩のひとつに、
全国各地で開催される
花火大会があります。

早いところでは7月半ばから
開催され、月が代わるあたりから
お盆頃に向けて全国的な
打ち上げ花火ラッシュとなります。

花火の発祥はやはり、
おなじみの古代中国。

硝石が発見されたことにより、
そこから火薬がつくられました。

火薬は最初、通信手段として
狼煙(のろし)に利用され、
やがて武器や爆竹へと転用されます。

その後、火薬は
ヨーロッパへと伝播し、しばらくは
武器として利用されました。

大きく変わったのは、
14世紀後半のことです。

イタリアのフィレンツェで開催された
キリスト教のお祭りで、
観賞用の花火の原形が登場します。

どちらかといえば、
“火花を楽しむ”現在の手持ち花火
のようなものでしたが、
珍しさもあって、瞬く間に
ヨーロッパ全土に広がりました。

16世紀には、イギリスで
ヘンリー8世が水上花火を楽しんだ
という記録が残されていますが、
どのようなものだったのかは
定かではありません。

日本に花火が伝わったのは
室町時代でしたが、当時は
どちらかといえば火を楽しむ程度。

いまのような花火を最初に
楽しんだのは徳川家康という説が
「駿府政事録」に残されています。

1613年(慶長18年)に、
駿府城を訪れたイギリス人が
手筒花火のようなものを披露し、
家康公はこれを大変気に入り、
それがやがて大名や一般庶民に
広まっていきました。

この時代の花火は、
手持ち花火や線香花火でした。

花火が夏の風物詩となったのは、
お盆と結びついた説が有名です。

お盆明けに先祖の霊を送り出す
“送り火”を焚くという
習慣がありますが、
灯籠流しや五山の送り火など、
お盆と火の関わりと並んで
“花火”が用いられました。

また、第8代将軍徳川吉宗は、
夏の風物詩として行われていた
両国の川開きの際に、
大飢饉や疫病の厄災を祓うために、
花火を打ち上げるよう、
花火師の鍵屋に命じました。

これが、いまに続く隅田川の
花火大会の起源とされるばかりか、
打ち上げ花火が
川開きの行事のきっかけとなり、
全国各地の川開きの行事として広がり
、お盆とも結びついていきました。

ちなみに、打ち上げ花火の有名な台詞
“た〜まや〜”“か〜ぎや〜”は、
両国橋の両岸に陣取って
交互に打ち上げた花火師の
玉屋と鍵屋からきています。

 

夜空を彩る“三尺玉”の大きさは、直径約88cm、重さ約280kg。

打ち上げられる花火のサイズは
予算によって変わりますが、
現在、打ち上げられる
大きなものの主流は
“三尺玉(30号)”。

玉の大きさは直径約88cmで
約280kgにもなります。

この大きな“三尺玉”は、
約600mの高さにまで打ち上げられ、
直径約550mもの
大輪の華を咲かせます。

また一部の花火大会では
“四尺玉”も打ち上げられます。

玉の大きさは
直径約120cmで約420kg。

打ち上げ高度約800m、
開花直径は約800m。

かなりの迫力です。

ちなみに、“世界最大の花火”として
ギネス記録に登録されているのは、
2018年に、アラブ首長国連邦で
新年を祝う催しで
打ち上げられた花火です。

玉の大きさは約140cm、
重さは1tを超え、約1127mの高さ
に達したと記録されています。

そんな打ち上げ花火を
ラベルのモチーフにしているのが、
「生酛 大吟醸 生貯蔵酒」です。

生酛造りで醸した辛口の大吟醸を、
生のまま低温貯蔵。

芳醇な香りとフレッシュな味わいが
口に一度に広がり、そしてキレよく
“スッ”と消えていく後味は、
まさに夏の夜空に開く
華やかな大輪の花火のような感覚。

菊正宗が誇る夏酒です。

日本の花火技術は、
世界最高水準を誇っています。

夜空に大きく華開く、
繊細で華麗な“火の芸術”は、
観る人を虜にし、
こころをくぎづけにします。

そんな瞬間を
今年も味わってください。