日本独自の進化を遂げた“ショートケーキ”。
毎月22日は“ショートケーキの日”
ということをご存知ですか。
その理由は、
カレンダーを見れば一目瞭然。
22日の上が必ず15日
になることに気づくはずです。
つまり、語呂合わせですが、
上に15(イチ・ゴ)
がのっているということで、
“毎月22日は
ショートケーキの日に”と、
2007年(平成19年)に
仙台の洋菓子店カウベルが
はじめたものが、
全国に広まっていきました。
日本のショートケーキは、
ふわふわのスポンジを
生クリームで包み込み、
上にイチゴが乗っている
というのが基本的なスタイルで、
もともと“イチゴのショートケーキ”
と呼んでいたものを略して
“ショートケーキ”と
呼ばれるようになりました。
スポンジの間に
フルーツが挟まっていたり、
イチゴの代わりにメロンやオレンジを
カットしたものが乗っているなど、
微妙にアレンジが加わったりしますが
、全体的にシンプルなスタイルです。
ショートケーキの発祥は
スコットランドという説が有力で、
ビスケットやクッキーのように、
もろくて砕けやすい
生地のお菓子がその原点とか。
“ショート”には、
もろい、砕けやすい
という意味があるようです。
それ以外にも
イギリスの“ショートブレッド”
に由来する説や、
スポンジをつくる際に
“ショートニング”を使っている説、
短時間または
生クリームやイチゴを使っているため
日持ちしないという
“ショートタイム”に由来する説など
、その名前がつけられた理由
については諸説あるようです。
海外のショートケーキは、
日本のスタイルとはやや異なります。
アメリカのショートケーキは、
スポンジではなく、ビスケット
と呼ばれるパンとケーキの中間に
位置するようなものがベースです。
フランスのショートケーキは
“フレジェ
(フランス語でイチゴを意味)”
と呼ばれ、
生クリームとカスタードクリームを
混ぜ込んだバタークリームを使用。
ベースとなるスポンジは、
アーモンドペーストを混ぜた
しっとりとした生地となっています。
いずれにもイチゴが使われている
のが基本スタイルのようです。
日本人にとってはやはり、
馴染み深いイチゴの
“ショートケーキ”が定番。
ラーメンやカレーと同じように、
独自の進化を遂げた
国民食のひとつに
数えられように思います。
イチゴは“野菜”に分類されています。
毎月22日が“ショートケーキの日”
ということならば、イチゴは
年中欠かせない材料といえます。
本来のイチゴの旬は
5〜6月なのですが、
スーパーの店頭にイチゴが並ぶのは
12月から5月です。
これは、品種改良に加え、
イチゴ農家が
暖房設備とビニールハウスにより、
旬となる“人工的な春”の環境を
つくり出しているからです。
日本人は昔から、旬の初物を
ありがたがる風習があり、
それを見越して
出荷時期がどんどん早まり、
早いものは12月に
出荷されるようになりました。
12月は、
クリスマスケーキに欠かせない
イチゴの需要が極度に高まる時期
であるということも出荷時期が
早まった大きな要因といえます。
6月から11月までは
アメリカ産の輸入イチゴや、
夏に実をつける
“夏秋(かしゅう)イチゴ”
が使われますが、
洋菓子店などに向けた
業務用がほとんどなので、
スーパーなどで見かけることは
あまりありません。
現時点で“夏秋イチゴ”は
旬の春イチゴとくらべると
糖度がやや低く、
出荷量も少ないため、
価格は約2倍とのことです。
また、より糖度の高い品種を求めて、
品種改良が行われているのも
イチゴの特徴。
かつては東日本の“女峰”、
西日本の“豊の香”が
イチゴ市場を二分していましたが、
現在は、栃木県産で酸味が少なく
糖度の高い大玉の“とちおとめ”、
福岡県産で安定した甘さ、
外観が美しい “さちのか”、
静岡県産で大粒、多果汁、
濃い甘味の“あきひめ”など、
それぞれ甲乙付け難い美味しさの
イチゴが市場に出回っています。
このほか、白いイチゴ
“天使のいちご
(エンジェルエイト)”や、
桃の香りがする“桃薫”など
変わり種品種も続々登場しています。
ここでイチゴにまつわる
ウンチクをひとつ。
普段何気なく食べているイチゴ、
実は農林水産省により
“野菜”に分類されています。
その理由は、
“草本性(木にならない)”
“苗から1年で収穫できる”
という点です。
スーパー店頭には何種類かの
イチゴが並んでいるので、
食べくらべてみては
いかがでしょうか。
世間の評価ではなく、
ご自身の舌にあったイチゴを
見つけるいい機会といえます。
これは、
日本酒にもいえることですね。