「梅酒」づくりで気をつけなければならない、酒税法のルール。

「梅酒」づくりに欠かせない密閉式広口瓶。

「梅酒」をつくる際に必要なものは、
梅とお酒、砂糖以外にも、あらかじめ
準備しておくものがあります。

まずは、「梅酒」を漬け込むための
密閉式の広口瓶。

漬ける梅の約4倍の大きさを目安にすると良いでしょう。

1kgの青梅だと4ℓ瓶が妥当な大きさです。

また、2kgの青梅だと
8ℓ瓶と考えがちですが、
青梅を1kgずつ分け、
2つの4ℓ瓶を用意するのが
好ましいところ。

というのも、持ち運びや
飲む際のことを考慮すると
4ℓ瓶がもっとも取り扱いが
容易なサイズということです。

「梅酒」の瓶は、
“吊り手のついた
ガラス製の密閉式の広口瓶”
を選ぶこと。

つまり、持ち運びに便利な
“吊り手つき
(金具つきの場合は
錆びにくいステンレス製)”
で、空気を通さない
“密閉式のガラス製”で、
“洗いやすく、消毒がしやすい”
広口瓶が理想的ということです。

「梅酒」シーズンともなると、
大型スーパーや
ホームセンター等の店頭に、
「梅酒コーナー」が設けられ、
吊り手がついた“果実酒瓶”が
大量に並んでいることが多いので、
容易に入手できると思います。

また、おしゃれな薄い緑色や青色、
無色のソーダガラス密閉瓶などで、
見て楽しむ「梅酒」づくりも
意外と人気なのですが、
直射日光は必ず避けてください。

プラスチック製の果実酒瓶
もありますが、空気を通すため
長期保存には不向き。

ただ、ガラス製の瓶にくらべると
軽量で持ち運びが容易
というメリットもあります。

「梅酒」づくりの瓶が決まったら、
必ず直前に行わなければ
ならないのが、瓶の消毒。

これを怠ると
雑菌が繁殖する恐れが高まり、
梅の風味を損なう要因
にもなりかねません。

できれば煮沸消毒が
好ましいのですが、
一般的な家庭には
大きなガラス瓶を入れ込む
大きな鍋はないので、
梅を漬け込む数日前に、
台所用洗剤でしっかりと洗い、
水気を拭きとってから天日干しを。

完全に乾いてから、
除菌アルコールで消毒すれば、
準備は完了です。

 

アルコール分20%未満のお酒で仕込むと、酒税法違反になるのでご注意を。

ここで大切なポイントがひとつ。

アルコール度数が20%未満のお酒で
「梅酒」を仕込むと、
酒税法に違反することになるので
注意が必要です。

これは漬け込む過程で醗酵によって
アルコール度数が1%以上
あがる可能性があるため、
密造酒の醸造行為
とみなされるからです。

1962年(昭和37年)に
酒税法が改正されるまで、
一般家庭で「梅酒」をつくること
そのものが酒税法違反行為
だったにも関わらず、
当たり前のように各家庭で
「梅酒」がつくられていました。

そのため、現実にそぐわない
法律の改正という意味合いで
“酒税法の例外規定”
が盛り込まれた
酒税法改正が行われ、
現在に至っています。

この“酒税法の例外規定”
を要約すると、

“すでに酒税が納付された
アルコール度数が20%以上の
酒類(蒸留酒)を使用。
醸造酒を使用する場合は
国税庁の許可が必要”

“糖類、梅などの混和を許可
(米や麦、あわなどの穀物、
麹、ぶどうは不認可)”

“新たにアルコール分
1%以上の醗酵がないもの”

という条件のもとで、
自分もしくは同居する家族が
飲む場合にだけに許可が
与えられているということ。

もちろん、仕込み終わった
「梅酒」を人に譲渡するのも
違法行為です。

以前、テレビ番組で
日本酒やみりんを用いた
「梅酒」づくりが紹介され、
のちに酒税違反行為を謝罪した
事例がいくつもありました。

また、ワインに果実を漬け込んだ
“サングリア”を自宅でつくることも
酒税法違反行為となります。

こうした酒税法の
例外規定を受けた上で、
梅を漬け込むお酒のセレクトですが、
最初のチャレンジの方は、
アルコール分35%の
“ホワイトリカー(甲類焼酎)”
が無難。

というのも、

“無味無臭に近く、
コクや風味がない分、
果実の風味が生かされる”

“アルコール度数が高く、
殺菌効果が見込めるため、
果実の腐敗を防いで
長期保存が見込める”

という二つの長所があるからです。

また多くの人が
「梅酒」づくりに利用する、
もっともポピュラーなお酒なので、
製造工程でつまずいた際に、
ネット検索すれば、その解決策に
たどり着きやすいというのも、
大きな利点のひとつといえます。

このほかの酒類としては、
強いアルコール感をお望みなら
“ウォッカ”や“ジン”、“ラム”は
スイーツのような甘い香り、
まろやかな梅の甘味を堪能するなら
“ブランデー”と、
もともとのお酒が持つ香りや
コクを纏った「梅酒」の
味わいの変化を
楽しむ方も多いようです。

梅を漬け込んでから
早くて約3カ月、
深いコクがある
飲み頃になるまで約6カ月。

美味しい「梅酒」を
飲めるまでには、
あとしばらくかかりそうです。

ここは、菊正宗の
「古城梅酒 原酒
(ごじろうめしゅ)」で、
ひと足お先に「梅酒」を堪能。

優しい甘みと甘酸っぱい
梅のエキスが醸し出す
まろやかな味わいを
お楽しみください。