2021年「打ち上げ花火」の開催事情。観覧時は、密を避けて、マスクをお忘れなく。

「夏の風物詩「打ち上げ花火」。昨年と比べると開催数も徐々に増えています。

夜空に大輪の花を咲かせる
「打ち上げ花火」は、
夏を代表する風物詩のひとつ。

いつもなら、花火大会は、
早いところで7月半ばから始まり、
8月に入るあたりからお盆頃に向けて
全国的な打ち上げ花火ラッシュと
なるところですが、
1年半にわたって続く
新型コロナ禍のため、
昨年の花火大会は
ほとんど中止となりました。

今年も中止のところが多いのですが、
一部、規模を縮小したり、
開催時期を延期したりするなど、
新型コロナ対策を十分にとって
開催される花火大会もあるようです。

日本三大花火大会に名を連ねるのは
秋田県の「大曲の花火」、
茨城県の「土浦全国花火競技大会」、
新潟県の「長岡まつり花火大会」
です。

残念ながら、
「大曲の花火」
「長岡まつり花火大会」は
中止と発表されましたが、
「土浦全国花火競技大会」は、
11月6日に延期予定。

これら以外の人気の花火大会の
開催予定状況は、
次の通りですが、
新型コロナの蔓延状況に応じて
変化するのでご注意を
(7月末現在)。

  • 北海道「帯広 勝毎花火大会」
    /中止
  • 秋田県「港まつり 能代の花火」
    /中止
  • 茨城県「大洗海上花火大会」
    /中止
  • 群馬県「高崎まつり大花火大会」
    /9月4日開催予定
  • 東京都「隅田川花火大会」
    /中止
  • 神奈川県
    「湯河原温泉海上花火大会」
    /8月21日開催予定
  • 埼玉県
    「西武園ゆうえんち 大火祭り」
    /9月5日まで、毎日開催
  • 静岡県
    「全国花火名人選抜競技大会
    ふくろい遠州の花火」/中止
  • 愛知県
    「岡崎城下家康公夏まつり
    花火大会」/中止
  • 愛知県
    「ISOGAI花火劇場
    in 名古屋港」
    /12月中旬開催予定
  • 滋賀県「びわ湖大花火大会」
    /中止
  • 三重県
    「伊勢神宮奉納全国花火大会」
    /中止
  • 大阪府「天神祭奉納花火」/中止
  • 大阪府「なにわ淀川花火大会」
    /中止
  • 大阪府「泉州夢花火」
    /8月28日・29日開催予定
  • 兵庫県
    「姫路みなと祭 海上花火大会」
    /11月13日開催予定
  • 鳥取県
    「米子がいな祭大花火大会」
    /中止
  • 長崎県
    「ハウステンボス
    九州一花火大会」
    /9月18日開催予定
  • 福岡県
    「メッセージ花火
    “愛・勇気・希望”恋の浦」
    /8月21日開催予定
    (320台限定のドライブイン方式)

有名な花火大会を紹介しましたが、
これでもほんの一部。

注目したいのは、
花火会場に車を乗り入れて、
車の中から花火を見上げる
ドライブイン方式が、
外出自粛の現在、
チラホラと増えていること。

今後、これ以外にも新しい
「打ち上げ花火」観覧スタイルが
生まれるかも知れませんね。

 

「打ち上げ花火」は、なぜ夏の風物詩なのでしょうか?

ここで、「打ち上げ花火」は、
なぜ夏の風物詩なのか
という疑問が湧きます。

まず、
「打ち上げ花火」の起源については、
江戸時代に隅田川で行われた
“水神祭”説が有力です。

当時、
江戸で流行った飢饉・疫病による
多数の死者の御霊を慰め、
悪疫退散を願って、
隅田川の川開きの日に
“水神祭”を開催し、
その際に、
「打ち上げ花火」を上げたのが
始まりとされるというもの。

同時に、
木造建築がひしめく江戸の町では
火事が多く、
当時の幕府が町屋近辺での
花火を禁止し、
“川の近くなら花火をしても良い”
というお触れを出したことと、
夏の暑さをしのぐ納涼の場が
川べりであったことが合わさって、
夏の川開きと「打ち上げ花火」は、
切っても切れない関係と
なっていきました。

もともと、
古くからお清めの儀式に
“火”が使われ、
花火を打ち上げる花火師が
次々と競うように現れたことも、
華やかなものを好む江戸の庶民に
受け入れたと考えられます。

花火の打ち上げが
川開きの行事として根付き、
やがて夏の風物詩として
認知されるようになりました。

時代が移り変わった現在、
安全面に配慮した
冬の「打ち上げ花火」も可能で、
実際に冬場のお祭りやスキー場での
「打ち上げ花火」もあります。

しかし、
寒さが厳しい冬に
屋外で空を見上げることや、
冬は風が強いという気候状況が、
「打ち上げ花火」には
あまり適していないため、
冬よりも、
圧倒的に夏の「打ち上げ花火」の方が
多いといえます。

現在はやはり、
観客が集まりやすい
規模の大きな花火大会は
中止のところが多く、
新型コロナ禍の収束を待つ
開催延期が多いようです。

来年こそは、こうした心配もなく、
かつてのように、普通の生活の中で
「打ち上げ花火」を楽しめることに
期待したいものです。