通貨価値や物価水準が大雑把に理解できる、身近に理解できる“ビッグマック指数”。
世界各国の物価水準や通貨価値などの
経済指標として話題になる
“ビッグマック指数”
というのがあります。
これはイギリスの経済専門誌
エコノミストが
定期的に発表している、
世界57カ国を対象として共通品質で
販売されているビッグマックの
価格推移を比較することで、
通貨の価値や物価水準を
推し測ることができる指数です。
たとえば、2021年7月の最新データと
当時の為替レート(1ドル=109.43円)
により、アメリカと日本とを比較。
この時のビッグマックの価格が、
アメリカ621円(5.65ドル)に対して
日本390円。
細かい計算は省きますが、
2021年7月時点の“円”は
“ドル”に対して、
37%過少評価されているとの結果に。
日本の“ビッグマック指数”は、
2021年1月データだと56ヵ国中24位の
-33.9%だったので、過小評価は
さらに進んでいる
ということが分かります。
2021年7月末現在で、
1位はベネズエラ
(921円/30,164,100ボリバル)、
2位スイス
(774円/6.5スイスフラン)、
3位ノルウェー
(693円/57ノルウェークローネ)、
4位スウェーデン
(681円/54スウェーデンクローナ)、
5位アメリカ
(621円/5.65USドル)
と続き、日本は57カ国中31位(390円)
に位置しています。
なお、1位のベネズエラは現在
ハイパーインフレ真っ只中で、
札束を抱えてビッグマックを買いに
行かなければならない状態なので、
ここから除外されるようです。
この他、世界中で販売されている
人気商品を使った指数として、
スターバックスの
“トール・ラテ指数”があります。
実際、この“ビッグマック指数”
で分かるのは、あくまでも
“現在の為替レートと比べて
実効レートがどのくらいあるか”
くらいのもの。
各国で売られている
ビッグマックの品質は多少異なり、
競合する類似商品が多いと
価格を抑えたり、
逆に高級品と位置付ける
場合もあります。
欧州諸国では
約20%前後の消費税(付加価値税)
が含まれることや労働賃金の高低、
原材料価格など、
国によって異なる背景がある
というのが正直なところです。
つまり、“ビッグマック指数”は
大雑把な目安で、
物価や通貨価値を
正確に示すものではありません。
しかし、難しく考えがちな
“経済”や“為替”を、
より身近な商品で理解する
という気軽さはありがたいこと。
このどこかの国に旅行する時の
物価目安としては、
きっと役立つはずです。
日本には、数字では計り知れない魅力的な働き方があります。
“ビッグマック指数”では、
日本は残念な結果ですが、
商品の価値という点において、
こうした数字では計り知れない
高い品質やサービス意識があります。
チップ文化のない日本ですが、
金銭に左右されない
ホスピタリティあふれた
“おもてなし大国”
という側面があり、
ビッグマックを買う時、
今でこそ“Smile 0円”
という表示はなくなりましたが、
笑顔の接客は、ずっと
受け継がれています。
また、価格競争力で
苦戦続きとはいえ、未だ
“メイド・イン・ジャパン”
ブランドに対する
世界の信頼は健在です。
日本が高い品質やサービス意識を
維持し続ける背景のひとつとして、
宗教観によって労働を“苦役”と
定義する多くの諸外国とは異なり、
働くことを“美徳”とする考え方が
昔から習慣づいている
ということがあげられます。
そのひとつの例として、
サッカーの国際戦の試合後、
厳密には労働ではありませんが、
日本サポーターがスタンドで
ゴミを片付ける姿が
称賛を浴びましたが、
その一方で、清掃員の仕事を奪う行為
との声もありました。
そんな長年にわたる日本の労働意識を
変えざるを得ないのは、
“働き方改革”や
“ワーキングシェア”の導入です。
もちろん、“滅私奉公”や
“サービス残業”、
“ワーカーホリック(仕事中毒)”
などは解消されるべきものなので、
日本が培ってきた世界に誇れる魅力を
十分に残しながら、諸外国とは異なる
独自の新しい働き方を見つけることが、
今後の課題といえるでしょう。
11月23日(火)は、「勤労感謝の日」。
“勤労を尊び、生産を祝い、
国民が互いに感謝し合う日”
と定義されています。
この意味を十分に噛み締めて、
自分の新しい働き方を
考えてみる1日にするのも
よろしいのではないでしょうか。
さて、“キリの良いところまで
仕事をしておく”は逆効果
ということをご存知でしょうか。
仕事に区切りをつける
ことは重要ですが、
やりかけの仕事を途中であっても
終業時間でそのままにし、翌日、
残った仕事から着手するとスムーズに
作業に入っていけるのです。
その作業の勢いで、
次の仕事に取りかかることが、
意外と効率的なんです。
まずは区切りをつけるための
残業をやめることから、
あなたの“働き方改革”をスタート
してみてはいかがでしょうか。
これは、育児や家事にも
いえることです。