満を持して「大阪中之島美術館」がオープン。期間限定で、菊正宗収蔵の北野恒富作の美人画を展示。

基本構想から約40年。
稀代の収蔵品を誇る「大阪中之島美術館」が開館しました。

「大阪中之島美術館」が
2022年(令和4年)2月2日に
オープンしました。

1983年(昭和58年)の
大阪市制100周年記念事業の
基本構想のひとつに
“近代美術館の建設”という議題が
上がってから39年。

具体的には2013年(平成25年)の
市の戦略会議で、文化芸術の
重点エリアである中之島に、
2021年(令和3年)度
開館をめざした
新しい美術館を建設することが
決定し、新型コロナ禍による
建設工事の停滞をカバーしながら、
約1年遅れでの開館に
こぎ着けました。

「大阪中之島美術館」が建てられた
大阪中之島エリアは、
大阪キタの繁華街の喧騒を
南に抜けたオフィスビルと
歴史を感じさせる風格のある建物、
行政拠点、文化施設が混在する
閑静な地区です。

都会のど真ん中でありながら、
堂島川と土佐堀川に挟まれた
緑がいっぱいの
リバーアイランド(中洲)は、
大きな空間を実感できる
開放感あふれる憩いの場
となっています。

そんな景観に溶け込むどころか、
ひと際異彩を放つ
黒くて大きな立方体の建物は、
むしろ日本を代表する
アート拠点として
その存在感を主張するランドマーク
ともいえる風貌です。

ここ「大阪中之島美術館」
開館のキッカケは、
“山本發次郎コレクション”
の一部が遺族により
大阪市に寄贈されたことで、
美術館構想の出発点です。

それから約40年間の準備期間の中で、
“田中徳松コレクション”
“高畠アートコレクション”など
稀代の蒐集家たちの
コレクションの中から数多くの作品が
寄贈されたのをはじめ、
2010年(平成22年)に休館した
サントリーミュージアム天保山からの
ポスターコレクションの寄託、
優秀なキュレーター(学芸員)による
買い付けなど、時間をかけて
6000点以上にものぼる収蔵品を充実。

そこには、建物よりも
充実したコレクションを築くという
基本的な方針があり、
収集にあたって、さまざまな独自の
視点テーマが設けられていました。

そしてそのひとつに
“大阪と関わりのある
近代・現代美術のコレクション”
という視点もあるなど、
特徴的なテーマの企画展に
期待も高まるばかりです。

「大阪中之島美術館」の
こけら落としとなる開館記念
「Hello! Super Collection
超コレクション展
-99のものがたり-」を開催。

モディリアーニやダリ、マグリット、
ジャコメッティ、ユトリロなど
世界を代表する作家を始め、
佐伯祐三、前田藤四郎、島成園など
日本作家のさまざまな
アート作品など、お披露目を意識した
珠玉の約400点が展示され、連日、
多くの来館者で賑わいました。

 

“みんなのまち 大阪の肖像”に、菊正宗収蔵品が出展。

開館記念展
「Hello! Super Collection
超コレクション展
-99のものがたり-」に引き続いて、
4月9日〜7月18日に開館記念特別展
“モディリアーニ
愛と創作に捧げた35年”、
7月23日〜10月2日に、
“展覧会 岡本太郎”
が開催されます。

そして、この両展と同期間の
約半年にわたって開催されるのが、
開館記念展
“みんなのまち 大阪の肖像”。

大阪と関わりのある
近代・現代美術のコレクションという
個性豊かな独自視点が発揮された、
まさに「中之島美術館」ならではの
“大阪”をテーマにした
気概を示す展覧会が
早々に開催されたといえるでしょう。

この開館記念展
“みんなのまち 大阪の肖像”では
絵画、写真、ポスターを始め、
多岐にわたるコレクションを中心に、
大阪府市内外の博物館・美術館や
企業などからの出品を加え、
大阪の魅力を広く深く掘り起こすのが
根底に流れるテーマです。

具体的には、
水都・大阪を描いた作品や
戦前のレトロポスター、
大阪を代表する有名画家などの作品が
一堂に会します。

「中之島美術館」からの
出展依頼にお応えして、
菊正宗収蔵の北野恒富による
大正から昭和にかけてつくられた
ポスター2点と、その元になった
美人画原画の合計3点が、
他の作品とともに
会場に並ぶこととなりました
(第1期:4月9日〜7月3日)。

とくに北野恒富の美人画原画は
圧倒されるほど大きく、
その筆致は驚くほど繊細です。

この原画は
菊正宗のミステリアスなお酒
「可惜夜(あたらよ)」のラベルにも
起用しているもので、
目の当たりにする
またとない機会です。

 

可惜夜(あたらよ)のご購入はラベル画像をクリック。

そして、4月23日(土)には、
北野恒富の第一研究者である
大阪大学教授・橋爪節也氏の
「描かれた大大阪
-近代都市景観と画家たち-」を
テーマにした講演会も開催されます。

大阪と北野恒富の深い関係性が
紐解かれるひとときとなりそうです。

菊正宗の収蔵品が、開館して間もない
「中之島美術館」の開館記念展に
出展できるのは光栄なことです。

また、過ごしやすい
春の気候に誘われるまま
歴史を重ねてきたアート作品を
観に出かけましょうか。

大阪中之島美術館HPへは画像をクリック。