下処理がキモの「タケノコ」。食べれば分かる、“旬”ならではの美味しさ

春の「タケノコ」はひと味違う。独特な香りと歯ごたえに“旬”を感じて。

下処理がキモの「タケノコ」。

食べれば分かる、
“旬”ならではの美味しさ。

「タケノコ」の美味しい季節となりました。
「タケノコ」は常備野菜のひとつとして
水煮の真空パックや缶詰などで
1年を通して食べることができますが
独特の香りとほのかな甘み、
歯ごたえのある食感を楽しむのなら
これからが“旬”の生の「タケノコ」に
勝るものはありません。

一般的にスーパーや八百屋店頭に並ぶ品種は
孟宗竹の「タケノコ」で、
2月下旬頃に九州での収穫から始まり、
サクラのように“タケノコ前線”が
東北エリアまで北上。

5月頃まで「タケノコ」の“旬”が続きます。

美味しい「タケノコ」を選ぶ際の注意点は、
いくつかあります。

まず、穂先が黄色っぽいものを選ぶこと。

穂先が土から出ていると
光合成によって緑色に変色し、
「タケノコ」特有のエグ味が増します。

黄色い穂先は、土から出ていない印です。

同じように、表皮が黒かったり、
緑色がかったりしたものも
日に晒された時間が長いため、
エグ味が強くなります。

そして、根元の切り口は白っぽく
瑞々しいものを選びましょう。

収穫してから時間が経過したものは
水気が抜け、アクにより茶色に変色します。

「タケノコ」は、“湯を沸かしてから掘れ”
といわれるほど、鮮度が重要視されます。

だからこそ、お店で買った後は、
なるべく早く下処理を済ますことが大切です。

「タケノコ」の表面についた土を流水で洗い流し、
外皮を2枚ほど剥がした後、
アクの多い穂先を数センチ切り落とします。

「タケノコ」がヒタヒタになるくらい
水を張った鍋に、「タケノコ」の重さの
1割くらいの量の米ぬかを入れ、
落し蓋をして、中火で約30分茹でます。

米ぬかがない場合は、
お米の最初のとぎ汁で代用してもOK。
竹串がスッと刺さるくらいになったら
茹で上がり。

そのまま常温で5時間ほど冷まします。

その後、米ぬかを洗い流して
残った表皮を剥けば、下処理完了です。

下処理の終わった「タケノコ」は、
タッパに水を張って、蓋をして浸けておきます。

水は毎日取り替え、保存期間は約1週間。

水に浸けたら、「タケノコ」の
風味が水に溶け出すため、
できるだけ早くお召し上がりください。

 

「タケノコ」を掘る機会があれば、是非試したい「タケノコのお刺身」。

もし、この“旬”の時期に、
「タケノコ」を掘る機会があるようなら、
是非お試しいただきたいのが、
「タケノコのお刺身」です。

掘ったばかりの「タケノコ」を
さっとゆがいて薄く切り、ワサビ醤油で。

小振りの「タケノコ」は、
アルミホイルで包んで、
焚き火でそのまま焼きます。

こちらはダシ醤油でいただくと、
新鮮な風味を楽しめます。

ここで注意したいのは、
「タケノコのお刺身」を大量に食べないこと。

生の「タケノコ」には、シュウ酸、
タキシフィリンが含まれています。

シュウ酸はアクの成分のひとつで、
摂取しすぎると尿路結石を
引き起す恐れがあります。

また、タキシフィリンは分解されると
シアン化水素という有害物質になるため、
中毒症状を起こす原因となります。

アク抜きによりシュウ酸の量が減り、
調理時の加熱によりタキシフィリンを減らすので、
調理した「タケノコ」については、
より安全に味わえるということになります。

さて、お店で買って下処理を済ませた
「タケノコ」の料理として、
まず思い浮かぶのは、“タケノコご飯”でしょうか。

油揚げを入れて、酒と醤油、みりん、和風ダシを
入れた炊き込みご飯は、
“旬”を味わうにはうってつけ。

また、“タケノコと油揚げのうま煮”も
オススメです。

他の煮物をつくる要領で、
こちらにも「タケノコ」と
相性の良い油揚げを入れて煮込みます。

鰹節を入れるとより風味が増し、
深い味わいとコクが楽しめる料理です。

火を止めて1回冷ますことで味を
「タケノコ」に浸透させることが
美味しさの秘訣といえます。

シャキシャキ感のある歯ざわりと一緒に、
「タケノコ」の独特な風味が味わえるのは、
“旬”のこの時期だけ。

「タケノコ」料理と旨い冷酒で、
春の陽気をお楽しみください。