「潮干狩り」で獲ってきたアサリは、旨みが濃厚な“アサリ潮ラーメン”で堪能。
かつて「潮干狩り」は、
ゴールデンウイーク辺りから
梅雨の晴れ間を縫って、
初夏まで続く夏場の人気の
レジャーのひとつでした。
近年になってレジャーが多様化し、
以前ほど混雑することは
ありませんが、それでも
小さなお子様のいるご家庭では、
この時期のお楽しみ行事として
結構賑わっています。
「潮干狩り」の歴史は古く、
平安時代に描かれた
大和絵に度々登場しますが、
庶民のレジャーとして定着したのは
江戸時代になってからのこと。
それほど娯楽もなかった当時は、
東京湾にもたくさんの干潟があり、
春から夏にかけての
ささやかな庶民の楽しみとして
格好の行楽地でした。
その様子は浮世絵に描かれ、
和歌にも詠まれています。
明治以降には、
全国的に「潮干狩り」が
広まっていきました。
場所によっては
ハマグリやバカガイなども獲れますが
全国的に
「潮干狩り」といえばアサリで、
干潮時に潮が引いた浜辺で
小さな熊手で砂を掻き出して獲るのは
みなさんご存知のスタイルです。
「潮干狩り」の最中に、
1cmほどの小さな穴を見つけたら
塩をひとつまみ入れてみてください。
塩分が濃くなったことに反応して
細長いマテガイが
ニュッと飛び出してきます。
このユニークな獲り方は
子供たちに人気で、
一度上手くいくと子供たちは、
ずっとマテガイ獲りに夢中です。
さて、
「潮干狩り」で獲ってきたアサリは
産卵期前で、身入りが良くなり
旨み成分が増す“旬”の時期。
この旨みを存分に楽しむのに適した
“アサリ潮ラーメン”を
ご紹介します。
1人分の材料は、
あさり/約200g(中サイズで15個前後)
中華麺/1玉
万能ネギ/適量
お好みでバター/適量
スープは、
水/500cc
昆布/5cm角
日本酒/50㏄
薄口醤油/小さじ1杯
塩/適量
まず最初に行うのは
アサリの下処理から。
平たいバットにアサリを並べて、
海水に近い3%の塩水(500mlの水に
キャップ摺り切り1杯の塩が目安)に
30分ほど浸けて砂を吐かせます。
同時に、両面を軽く水拭きした
5cm角の昆布を
500ccの水に浸しておきます。
砂を吐かせたアサリはザルにあけて
濡れたキッチンペーパーを被せて、
約3時間、冷蔵庫に。
この放置されている時間に、
旨み成分となるコハク酸が
大きく増加するとのこと。
調理直前に
アサリの貝殻を擦り合わせながら
流水で洗います。
鍋に日本酒を入れて
アルコール分を飛ばしたところに、
あらかじめ浸けておいた
昆布出汁500ccとアサリを投入。
弱火にかけて灰汁を取りながら、
アサリと昆布の旨みを引き出すのが
ポイント。
沸騰し始めたら昆布を取り除き、
アサリの口がひとつでも開いたら
火を止めて蓋をして蒸します。
約2分間経ったら
小さじ1杯の薄口醤油を入れ、
味を確認しながら塩で味を整えます。
茹でた中華麺ひと玉を入れた
ラーメン鉢にアサリと出汁を入れ、
刻んだ万能ネギを散らして完成。
お好みで
バターを入れた味変もおすすめ。
アサリの素材が持つ旨みを引き出した
絶品の潮ラーメン。
ぜひ、ご堪能ください。