「虎に翼」に、ルフィ、サンジ、ウルトラセブン、ウルトラマンが登場!?

台詞とナレーションの絶妙の“間”が、主役・伊藤沙莉の演技の凄さを引き出す。

前回のNHK連続テレビ小説
「ブギウギ」は高い人気を誇り、
終了時には“ブギウギロス”という
喪失感に陥るのではないかと
懸念されました。

しかし、新たに
「虎に翼」が開始すると同時に、
そんな心配などなかったかのように
大きな話題を呼んでいます。

「虎に翼」は、
日本初の女性弁護士の一人で、
後に判事補(女性裁判官)や検察官を
歴任し、女性初の裁判所所長になるなど
法曹界に大きな貢献をした
三淵嘉子をモデルにしたドラマです。

物語は、男性が中心の戦前の昭和を
舞台にスタートします。

女性は学校を卒業するとすぐに
結婚をすることが一般的だった時代に、
主人公の猪爪虎子(ともこ)は
結婚を避け、法律にかかわる
職業婦人の道を選びました。

彼女は、大学の日本初の女子法科で、
女性に対する数々の
理不尽さに直面します。

このドラマは重いテーマを
扱っていますが、
“女は生き辛い”という
単純な図式にはとどまりません。

たとえば、寅子が暮らす猪爪家では
もっとも強い発言権を持つのが
母親であったりもします。

辛くて悲しい出来事とともに、
家族の団欒などの日常生活を
等身大で面白く描くことで、
重たいテーマもやわらぎ、
視聴者の共感を呼びます。

さらに、このドラマでは
センスのある言葉選びで
笑いを誘います。

たとえば、納得していないときに漏れる
「はて?」という口癖や、
言いたいことを飲み込んだときの
無表情を“あっ、スンッだ”と
表現したりします。

また台詞とナレーションの
使い分けの妙も
ドラマの魅力のひとつです。

細かい説明や心の声、
相手への悪口などは
ナレーションとして挿入され、
絶妙な“間”で
会話の中に取り込まれることで
物語は淀みなく進みます。

本編以外にも
話題を呼んでいるのが「虎に翼」です。

主役の寅子の学友・花江の実家で働く
女中・稲を演じるのは田中真弓。

彼女はアニメ「ONE PIECE」の
主人公・ルフィの声優で、
出演後、「虎に翼」の公式Xで
“何やら船の仲間が1人、
乗り込んでくるようでございます”と
意味深な動画を公開しました。

後日、寅子の父が巻き込まれた事件の
裁判で裁判長を務めたのが、
同じく「ONE PIECE」で
サンジの声を担当する平田広明。

彼も公式Xで
“田中真弓、平田広明ともども、
クソお世話になっております”と、
アニメファンが喜ぶ
コメントを残しました。

また、「ウルトラセブン」で
モロボシ・ダン役を演じた森次晃嗣が
事件の黒幕役で出演し、
ウルトラ警備隊でダンの同僚・
アマギ隊員を演じた古谷敏が
被告の大臣役で登場します。

彼はウルトラマンの
スーツアクターも務めていた俳優で、
往年の特撮ファンにとって
この50年振りの共演は
感動的なひとときでした。

ドラマは、まだ半ばですが、
ヒロインを演じる
ハスキーボイスの伊藤沙莉をはじめ、
実力派の俳優陣による確かな演技は
すでに評価されています。

これからも、
さらなる驚きの展開への期待感は
高まるばかりです。

しばらくは、
目を離せそうにないドラマといえます。