話題の新紙幣ですが、希少価値なら旧紙幣。
2004年(平成16年)に
旧紙幣が発行されて以来、
20年ぶりとなる新紙幣の発行です。
発行初日の7月3日には、
真新しい新紙幣への交換を求めて、
多くの人々が金融機関に
長蛇の列をつくりました。
発行から約3カ月後には
市場に流通し始め、
2〜3年ほどでお札のほとんどが
新紙幣に入れ替わると
予測されています。
新しい紙幣の流通量が増える一方で、
旧紙幣は
一般銀行から日本銀行に戻った時点で
回収・破棄されるため、
今後は旧紙幣の方が
希少性は高まります。
旧紙幣は
2022年(令和4年)夏に
製造を終了しているので、
比較的きれいな旧紙幣が
手元に届いたら、
記念に保管しておくのも
いいかも知れません。
新紙幣の発行は、
おおむね20年周期で行われます。
これは偽造防止の強化を目的として、
券面デザインを変更するためです。
日本が誇る
最新の印刷技術を駆使した
偽造防止に加え、
券種を識別しやすくするための
ユニバーサルデザインが、
さまざまな箇所に採用されています。
触るとザラつきのある触感のインクを
高く盛り上げる“深凹版印刷”を、
額面文字と券種を識別するマークに
採用。
各券種の肖像のすかしの背景には
高精細なパターンが施された
“高精細すき入れ(すかし)”と、
表面右側に券種ごとに本数が異なる
縦棒状の“すき入れパターン”が
あります。
とくに話題となっている
肖像画が回転する
“立体視ホログラム”で、
紙幣への利用は世界初の試みです。
この他、紙幣を傾けると
左右両端に光沢ピンクか輝く
“パールインキ”や、
表面に額面数字、
裏面にはNIPPONの文字が浮び上がる
“潜像模様”。
罫線や背景に
コピー機では再現できないほど
小さな文字で
NIPPONGINKOの文字が図案化された
“マイクロ文字”。
紫外線を当てると発光する
“特殊発光インキ”。
これらの偽造防止技術は、
実は旧紙幣と同じ技術の踏襲です。
しかし、20年の印刷技術進化により、
その精度は格段に向上しています。
ユニバーサルデザインの採用により、
もっとも顕著なデザイン変更は、
識別がしやすい
表裏の額面文字の大型化です。
従来の漢数字は
少し小さいサイズで左上に配置され、
メインの額面表示には
アラビア数字が採用されました。
ただし、使用フォントが細く、
慣れない新札に違和感を覚える方も
少なくありません。
ちなみに、
1万円札にはヒゲのある“1”、
千円札は縦棒の“l”による
識別がしやすくなっています。
指で触って判別できる
11本の斜線(識別マーク)、
ホログラムと
高精細すき入れの形や位置などを
券種ごとに変えることで、
識別のしやすさが向上。
まだ新紙幣に触れていない方も
多いかも知れませんが、
財布に入っている旧紙幣を
見てください。
20年前の印刷技術ですが、
改めて、その品質の高さに
驚くはずです。
次回ブログでは、
引き続き新紙幣の肖像画について
ご紹介します。