新紙幣となかなか出会えないのには、理由があります。
新紙幣発行から
約1カ月が経ちましたが、
新しいお札に出会ったという話は
あまり聞こえてきません。
それでも、
給料日にお金を下ろす時や
スーパーで買い物をして
高額紙幣を使う時など、
新紙幣が出てくるのではと
少し期待してしまいます。
思ったほど
新紙幣が出回っていないのは、
キャッシュレス決済で
現金の動きが鈍いことが一因です。
また、
旧紙幣と新紙幣が混在すると
お客様が混乱するため、
もう少し市場に流通するまで
あえて出さないという
店側の配慮もあるようです。
さらに、
自動販売機や飲食店の券売機などでは、
新紙幣はもちろん、
2021年(令和3年)に発行された
新500円硬貨すら
対応が追いついていない
という場合が少なくありません。
新紙幣は偽造防止のために
登場しましたが、皮肉なことに、
もっとも犯罪につながりやすいのが、
それほど出回っていない
新札登場のこのタイミングです。
“旧紙幣は使えなくなるので、
新しい紙幣に交換する”と騙って
粗悪な偽札と交換する詐欺も
老人世帯を中心に発生しています。
ちなみに、
過去に発行された紙幣や硬貨、
たとえば明治時代に発行された
1円札なども、その額面通りに
使えるのでご安心ください。
さて、
肖像画に登場した3人は、
近代日本の黎明期に
活躍した人物たちです。
1万円札の渋沢栄一は、
“日本の資本主義の父”
“日本経済の父”と呼ばれる人物。
幕末に一橋慶喜に仕え、
明治維新後に政府で働いた後、
日本で最初の銀行である
第一国立銀行(現みずほ銀行)を
設立し、実業界へと転身しました。
東京証券取引所をはじめ、
設立に関わった企業は
500社以上ともいわれています。
5000円札の津田梅子は、
6歳の時に、欧米に派遣された
岩倉使節団に加わった
最初の女子留学生のひとりです。
日本で初めてとなる
私立の女子高等教育機関
「女子英学塾(現津田塾大学)」を
設立しました。
女性の地位向上や
女性の個性を尊重した
女子教育の先駆者です。
1000円札の北里柴三郎は、
感染症医学の発展に貢献した
“近代日本医学の父”
とも呼ばれる人物。
ドイツ留学で細菌学者コッホに師事し、
世界で初めて破傷風菌の培養に成功し、
その治療法を開発しました。
日本帰国後も伝染病予防や
細菌学の研究に取り組み、
ペスト菌を発見しています。
このままいくと、次の新札発行は
2044年になる予定ですが、
20年も経つとキャッシュレス化は
大きく進み、現金による決済は
かなり少なくなることも想像できます。
極論ですが、
今回が最後の紙幣になると予測する
一部の金融経済識者もいるほどです。
紙幣肖像画の採用傾向を考えると、
次の肖像画候補として有力なのが、
菊正宗と関係の深い嘉納治五郎です。
“柔道の父”“体育の父”
“教育の父”として
近代日本の礎を築いた彼は、
まさにうってつけの人選です。
世界でアート作品とも
賞賛される日本の紙幣なので、
ぜひとも次の新紙幣発行に
誰が採用されるのかを
見たいものです。
「嘉納 治五郎」の名を冠した「しぼりたて純米大吟醸酒」
嘉納 治五郎ゆかりの銘柄「特別純米酒 鷹の羽」。
菊正宗ネットショップはこちらから https://www.kikumasamune.shop/