
大寒波が襲来。記録的な豪雪による被害と雪と共存してきた生活の知恵。
底冷えのする厳しい寒さも和らぎ、
晴れた日の心地良さに
春の気配を感じられたのも束の間。
3月上旬には再び大寒波が襲来し、
日々乱高下する寒暖差に
体調も崩れがちです。
この冬は、
過去10年間の気象データとくらべても
非常に強い大寒波が
日本列島を包みました。
2014年、2018年も
“数年に一度の寒さ”
と報じられましたが、
今年はそれを上回る寒さといえます。
日本の寒波の原因は
シベリア高気圧の
発達によるものです。
冷たい空気が日本列島に流れ込み、
西高東低の
気圧配置が形成されることで
降雪をもたらします。

とくに
偏西風に運ばれた
シベリア寒気団が
日本列島まで到達した際は、
大雪につながるのです。
今回の寒波は全国的に影響を及ぼし、
各地で記録的な積雪となりました。
岐阜県白川町では
48時間で129cmの積雪を記録し、
新潟県上越市では
24時間で80cm、
鳥取県米子市でも
過去最高クラスの積雪を観測。
交通機関の運休や混乱、
道路の通行止めに伴う物流の停滞、
水道管の凍結、停電など
生活への影響もかなり深刻でした。
また、
寒波のたびに大雪と低温が続き、
除雪作業が追いつかず、
社会全体に大きな影響を与えました。

日本より寒い極寒地は
世界に数多く存在します。
世界の寒冷地と比較すると、
南極大陸を除き、
ロシアやカナダ、
フィンランド、スウェーデンなどでは
最低気温が約-50℃に
なることもありますが、
日本は
そこまでの寒さでは
ありません。
しかし、
シベリアからの寒気が
日本海を渡ることで湿った空気になり
大雪を降らせるのです。
つまり、日本の豪雪は
湿度が大きな要因なのです。
日本の山間部はさらに降雪量が多く、
とくに北陸や東北、
北海道の山岳地帯では
年間10m以上の降雪も
珍しくありません。
なお、
世界の都市部の
豪雪地帯ランキングによると、
青森市が約7mで1位、
札幌市が約5mで2位、
富山市が約3.6mで3位
となっています。
こうした自然環境の中で、
日本の人々は
この豪雪と共存してきました。

スキー場は観光資源となり、
黒部アルペンルートの「雪の大谷」は
約20mにも及ぶ壮大な雪壁として
観光客に人気です。
白川郷では合掌造りの家屋が今も残り
雪国ならではの
暮らしの知恵が受け継がれています。
とりわけ、
雪の少ない外国からの
訪日観光客などは、
雪に埋もれた山間の観光地や
温泉地などは
魅力的な観光スポットとして
人気です。

一方で、
雪崩や交通障害、
家屋倒壊といったリスクも大きく、
消雪設備の整備や
雪下ろし支援などの
対策が欠かせません。
近年は
異常気象の影響で
降雪の偏りが大きくなり、
より柔軟な対応が求められています。
豪雪の被害もありますが、
日本は長年、雪と共存し、
知恵を活かしながら
この自然と向き合い続けています。
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